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 第二十八回 ('04年11月14日放送)
  「イラクと新潟 〜危機管理を考える〜」

  ゲスト: 村山富市 氏 / 野中広務 氏

イラクでは、ファルージャへの総攻撃が始まり、泥沼化への道が進んでいる。そこで暮らすイラク市民は…。それを見つめる世界は…。そして、自衛隊は…。一方、新潟では、大地震が起きて、雪国の寒さの中、容赦なく、その後も震度5クラスの余震が続く。そこで、暮らす人々は…。阪神大震災に見舞われ、苦悩の中で対応に追われた村山富市元総理と当時の自治大臣野中広務元官房長官が語る。


― ファルージャ総攻撃について
村山 「やっぱり武力に過信をして、あんなやり方しか方法はないのかなという気はしますよね。特にあの、イスラム教徒の断食の月でしょ。これはある意味では、ひとつの大きな儀式ですよね。そういう時期を狙ってやるていうのはね、イスラム教徒全体に対して反米感情作らせるしね、それからもう、武力では解決しないっていうのはね、もう鉄則みたいなものでみなさん思ってるわけでしょ。それにああいう攻撃を加えてね、ますますその、ベトナム化するんじゃないかと。収集がつかなくなるんじゃないかという気がしますよね。よくないですね」
野中 「私が残念だったのはね、小泉総理がね、これのね、成功を祈るようなね、期待するような、そういう発言をね、なぜこの時、日本の総理がやったんだというようなことに対してね、非常に疑問を感じました」

― 小泉総理の「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だ」発言は
村山 「おかしいと言うよりもねえ、これは開き直ってますよね。だからね、これはやっぱり、議会軽視ですよ。それは国民が見てるわけでしょ。総理の答弁っていうのはね、国民に答えるわけですからね、それに開きなおってあんな答弁をしてね、これは一国の総理がする答弁じゃないですよ。しかもこういう答弁っていうのはね、瞬時にして世界のニュースになるんだから」

― 自衛隊の派遣延長は
野中 「野党がいわゆる撤退法案を出したときに、自民党の中から賛成する政治家が何人出てくるかということだと、それよりは自民党の中から総理に話をして、円滑な撤退が、一挙にわーっとやれるわけじゃありませんから、もう知らないよ、というわけにいきませんし、オランダ軍との関係もありますから、やっぱりある程度納得をされながら撤退をしていくね、そういう道を講じなきゃならないですね。自衛隊だってね、これはその、やっぱり自分たちが命をかけて行ってくれてるわけです。この人たちの名誉がありますし、そしてこの人たちの、帰り方の問題も、考えていくと、もっと方法をね、よく考えて、実際の実りが、円滑に撤退したということになるよりは、やってほしいなあと思いますね」

― 新潟県中越地震は
野中 「まあ我々の時(阪神淡路大震災)、神戸といったところですから、通信事情が全然入りませんから、国家の危機管理がなってないと、言うて特に村山総理に批判が集中したわけですが、しかし事故を知ってからも1時間半も観劇して、そして、官邸に入らずに、公邸に入ってもね、政治の場からも、マスコミからも、批判をしないという、恐ろしい日本になってきたなあと」

― 阪神淡路大震災の経験
村山 「それはもう、危機管理のね、ああいう緊急的な災害事故に対する根、危機管理の対応の機能というのは全然なかったんです。初動の発動がね、遅れたということについてはね、これはもう弁明の仕様がないですね。ええ。本当に申し訳ない」

― 小泉総理に…
村山 「阪神淡路の大震災があった時にね、後藤田(正晴)さんが官邸にお見えになってね、一番最初に言ったことを覚えてましてね、「総理ね、地震は天災だと。防ぎようがないと」これからは、人災だと。しっかりやってほしいと。こういう話がありましたね。新潟の場合には特殊なケアが必要とする場合があるわけですよ。これはやっぱり人が一番大事ですからね。年寄りとか障害者とかね、子供とかね。そういうケアを少し、万全にしてほしいと思いますね」


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