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 第十七回 ('04年8月8日放送)
  「何を語り継ぐか、どう語り継ぐか」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 土井たか子 氏

今年の夏は記録的な猛暑だが、毎年この季節を迎えると「戦争というもの」について考えることが多くなる。特に、今年は自衛隊の多国籍軍への参加や、憲法9条論議なども盛んで、いつもの夏とは違う。

戦争体験が人生の原点にある二人に「何を語り継ぐか、どう語り継ぐか」ということで、戦後の政治そして日本の将来について聞いた。


― 59年前の8月15日は
土井 「もう明日から空襲がないというのでね、本当にもう辺りの状況から、何か生きているという実感の一つ、直ちにないんです。いくら手のひらを自分でつねったかわからない」
野中 「本当にあの当時、戦争に行ってそして陛下の為にお国の為に死ぬことが男子の本懐だと思ってましたからね、がっくりきましてね、もうね、死のうと、一緒に。土佐の浜の、坂本竜馬のところに行ってあそこでやろうと」

― 神戸大空襲のとき
土井 「それはもう忘れられません。それは生涯忘れられません。幾たび夢に見たでしょう。今でも時々ですね、疲れ果てた日などは、夢に見る場面もありますよ。それは火の中をですね、もう生死のことなんてかまっておれないです。どのように逃げるように、走ったかってのは自分でも覚えてません。気が付いたら海岸までたどり着いてたっていう調子ですからね」

― 若い政治家へ
野中 「ひとつこの国が歩んできた歴史、ですね、もう一度検証してほしいなあと、だいたいその、近代史、現代史が教えられてないんですね…。名前だけは覚えてますけれど、歴史の中に起きた悲劇が、この人たちにはわかっておらない。、もっともっと勉強して欲しい…」

― 59回目の終戦記念日を迎えるが
土井 「戦争という問題に対して、猛反省をやった。そしてそこから戦後のお互いの、新しい社会、経済、政治ということに対しての取り組みが始まった。あの時の気持ちを絶対忘れないようにですね、戦争ということは許しちゃならん、作ってはならない、参加はもちろんならない。これは徹底すべきだと私は思ってます」


一言