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2019年1月13日放送
リュウゼツランの景観とテキーラの古い産業施設群

溶岩だらけの畑

リュウゼツランの畑は、標高約1200mの痩せた土地に広がっています。畑には溶岩がゴロゴロ。おまけに雨もほとんど降りません。他の作物はよく育ちませんが、乾燥に強いリュウゼツランの栽培には適した環境だったのです。

テキーラ誕生のヒミツ

メキシコ先住民は2000年以上前から、リュウゼツランの汁を発酵させただけのプルケというお酒を飲んでいました。16世紀、スペインがメキシコを征服した際、蒸留技術を持ち込み、プルケを蒸留してアルコール度数を高めたことが、テキーラ誕生に繋がったのです。

300年前の蒸留所

テキーラ村の近くに、現存する最古の蒸留所跡があります。そこに残されていたのは、溶岩を積み上げたリュウゼツランの蒸し焼き釜。かつてどのようにしてテキーラが造られていたのか?その様子を再現してもらいました。

メキシコの代名詞とも言うべき“テキーラ”は、テキーラ村など限られた地域だけでつくられる特別なお酒です。そのテキーラが生まれた風土と、古い酒造りの施設が世界遺産になっています。テキーラの原料はリュウゼツランという植物。リュウゼツランの畑は、火山の麓に広がっています。厳しい環境の中、人々の力強さに育まれてきたテキーラは、まさに“メキシコの魂”でした。

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