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2016年9月11日放送
要塞都市クエンカ

崖からはみ出た高層の家々

スペインのラマンチャ地方に不思議な街があります。
細く高く伸びる高層の家々が崖の上の狭い土地にぎっしり建っているのです。
しかも崖からはみ出している家まで。それは12世紀にキリスト教徒がこの地の地形を利用して要塞として作った街でした。

発見!空中の水路

要塞都市クエンカ、水の確保は生命線です。街にはその痕跡が残っています。
教会の建物の内部に残る謎のトンネルは16世紀の水路。そして絶壁に沿って掘られた水路や水道橋も。
我々は地元のロッククライマーに依頼しそれらの遺構を間近で撮影しました。

壁一面に刻まれた叫び

クエンカの古文書館はかつて異端審問所でした。
カトリックの信仰から外れた人々を罪人とみなし、牢獄につなぎました。その壁に詩が彫られていました。
それは異端者として捕らえられた人物の、無実を訴える悲痛な叫び。クエンカには暗い歴史もあったのです。

スペイン・ラマンチャ地方のクエンカ。崖の上にひしめく高層建築はおとぎの国のようです。
絶壁にしがみつくように建っているため、お宅訪問すると室内にはむき出しの岩が。
クエンカは2つの川に削られてできた渓谷に挟まれた要塞都市でした。そして中世の終わり頃、羊毛業が盛んになり人口が急激に増えました。狭い土地で建物は上へ上へと伸びるしかなかったのです。
スペインでもユニークな景観を残すクエンカの謎に迫ります。

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