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2011年10月30日放送
シルクロードの旅II:ヨーロッパが憧れた幻の青い磁器

古都イスファハーン(イラン)

砂漠のオアシスに築かれたペルシアの都。街の中心を成すのはイマーム広場。
美しい青いタイルで飾られたイスラーム建築が並ぶ。

サマルカンド(ウズベキスタン)

かつてのティムール帝国の都。サマルカンドブルーと呼ばれる青は、ペルシアから伝わった顔料、コバルトの青だった。

故宮(中国)

かつて紫禁城と呼ばれた皇帝の宮殿。現在は博物館となった。
所蔵の文物に「青花」がある。中国の磁器とペルシアの青が出会い、誕生した。

ゴール(スリランカ)

シルクロードの時代、宝石や香料を求めるアラビアの商人が行きかった。
16世紀以降は、ヨーロッパの列強が次々と支配。要塞都市となった。

イスタンブール(トルコ)

かつてのオスマン帝国の都。博物館となったトプカプ宮殿には、世界中から集められた宝が眠っている。そこに中国の「青花」があった。

アムステルダム(オランダ)

干拓で生まれた環状運河の町。この水の都に巨万の富をもたらした商人たちは、自ら磁器の製作に挑む。生まれたのがデルフト焼だった。

ドロットニングホルム(スウェーデン)

湖畔に立つゴシック様式の宮殿。その離宮は、中国趣味であふれている。
磁器の間には、中国から輸入した絵皿や壷が並ぶ。

ヴェルサイユ宮殿(フランス)

絶対王政のシンボルとなった宮殿。王妃マリー・アントワネットが愛した
セーブルの食器。それは、中国への憧れが生んだものだった。

海のシルクロードを東から西へ。
中国が生んだ磁器はヨーロッパの宮廷が求めた最高の贅沢品。
なかでも一番の憧れは、素朴で清楚な「青花」だった。青い染付けに必要な顔料はペルシアから伝わったもの。ペルシアと中国の技術が溶け合い「青花」が生まれた。
西へと向かう航海は苛酷なもの。多くの船が難破しながらも、中国の宝をヨーロッパへ運んだ。王侯貴族に流行した中国趣味は、やがてマイセンやセーブルを生み、新しい文化を生んだ。