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2010年5月30日放送
テ・ワヒポウナム

アルプスの山々と、雲が出会う場所。そこには氷河が生まれました。
氷河は長い時間をかけて険しい山々と、フィヨルドに切り立つ岩の壁を作り出しました。今も現在進行形で生まれる氷河の美しさは神秘的。

テ・ワヒポウナムの森はシダに覆われています。マオリの人々はシダを食用や薬用にも使い、新芽の渦巻を「生命の象徴」と考えてきました。

森には変わった生き物もいます。洞窟の天井に生息するツチボタルは、幻想的な青い光を放ち、エサをおびき寄せます。
オセアニアにしかいない、不思議な洞窟の主です。

テ・ワヒポウナムは、ニュージーランド国土の1割にも及ぶ広大な自然遺産です。
島の西海岸に添うように連なるサザンアルプスの山々には、熱帯雨林に匹敵するほど大量の雨と雪が降ります。
そんな地形と気候の偶然が、「地球の箱庭」を生み出しました。
アルプスから流れ落ちるダイナミックな氷河。圧倒的なフィヨルドの岸壁。
恐竜時代のような巨大シダに覆われた太古の森。
そして、そこに生きるのは飛べない鳥たち。テ・ワヒポウナムは、もうひとつの地球を閉じ込めた宝石箱のような場所なのです。

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