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2009年4月5日放送
シェーンブルン宮殿と庭園群

大ギャラリー

「大ギャラリー」はかつて、シェーンブルン宮殿に招かれた客人が一番最初に目にする大ホールであった。巨大な天井の中心にはマリア・テレジアが描かれている。テレジアはこの大ギャラリーを客人達に見せつける事で自分の権力を誇示したのである。

庭園の間

「庭園の間」は現在は一般公開されていない部屋である。インドの自然をモチーフにした、この部屋には宮殿生活とはほど遠い田園風景への憧れがあった。
テレジアはその他の部屋の装飾にも、外国の文化を積極的に取り入れた。世界の文化をこの宮殿に取り入れることで、この場所が世界の中心である事を誇示したかったのである。

動物園

シェーンブルン宮殿の庭園には、今でも動物園がある。世界初で最古の動物園である。当時、世界の動物をここに集め、それを見ながら夫と共に朝食をとるのがテレジアの毎朝の楽しみであった。

ヨーロッパの歴史の礎に、多大なる影響を与えたハプスブルク家。そのハプスブルク王朝の記念碑とも言うべき建築物がシェーンブルン宮殿。17世紀の終わりハプスブルク家の夏の離宮としてシェーンブルン宮殿は建てられました。やがて18世紀の半ば、女帝・マリア・テレジアの居城とするため、絢爛豪華に改装され、今日の姿になったのです。部屋数はおよそ、1400室以上。中国やインドの美術を取り入れた華麗な内装。遥か異国の美術を手に入れられるということは、つまり、富と権力の象徴でもあったのです。第一次世界大戦後、ハプスブルグ家が崩壊した後、この宮殿は市民に開放されますが、実に驚くべき形で市民に開放されることになるのです。

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