
聖地・エルサレム。1981年にヨルダン・ハシミテ王国の申請により登録された、「当事国を持たない唯一の世界遺産」である。 |
 |

町には、巡礼の姿が絶えることはない。ユダヤ教、キリスト教、イスラームと、世界中に信者を持つ3つの宗教がこの町を聖地とし、時に共存し、時に対立し争う歴史を歩んできた。 |
 |

紀元前10世紀にソロモン王の大神殿が聳えた場所は、いまはイスラームの聖域となっている。金色に輝く「岩のドーム」は現存する世界最古のイスラーム建築として知られ、預言者ムハンマドがここから昇天したとされる岩を祀っている。 |
 |

かつての大神殿は、僅かに土台の石壁が残るのみ。その壁は「嘆きの壁」と呼ばれ、ユダヤ教徒が失われた王国の栄光を偲び祈りを捧げる場所である。人々の祈りの背景には、3000年に渡るこの町の歴史がある。 |
 |