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第274回2001年11月04日
オリンピック国立公園(アメリカ合衆国)
遺産名:
オリンピック国立公園
Olympic National Park
所在地:アメリカ合衆国(United States of America)
分 類:N(ii)N(iii)
登録年:1981
放送日:2001年11月04日
放送回:第274回
オリンピック国立公園
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オリンピック国立公園の北西部に位置する海岸には奇岩が多く見られる。そのひとつ"WeddingRock"と呼ばれる岩には先住民オゼットが500年前に描いた岩刻画が残る。遠浅で波の荒い岩海は人々の侵入を長く拒み、元々わずかに居住していた者だけが海からの絶えることのない恵みを享受していたのである。貴重なタンパク源としてのシャチの隣に描かれた顔は、あるいは海の超自然的な力を畏れ、それを先住民たちが擬人化したものの姿だろうか。
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西の太平洋側の標高が最も高く、独特の地形を有する公園の温帯雨林には一年中水蒸気が滞留している。海からの偏西風が吹き続ける結果、熱帯のジャングルにも匹敵するような湿度が保たれ、幻想的な景観が広がっている。カエデに着生したコケは空気中から水を吸収し、重力の方向へと延び続ける。ひとつの枝を覆ったコケの保水量は、およそ1トンにも及ぶ。枝はその重さゆえおれることもある。
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あらゆる種類のナメクジが世界で最も多く見られるのがオリンピック国立公園の雨林である。他に類を見ないこの地の高湿度がさらに生み出したのが"BananaSlug"バナナナメクジである。体長25cm以上にも育ち、鮮やかな黄色のこのナメクジは平均寿命6年という珍種である。木の葉など植物を体内で分解した彼らの排泄物は、養分となり太古から人の手の入らぬまま生き続けるこの森の再生者と呼ばれる。
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オリンピック国立公園の多様な生態圏は高湿度の偏西風から始まる。海風が標高2000mの高山地帯に氷河を生み、氷河が削った谷に、森は生まれた。氷河の水は川となって風の吹く同じ海へと還ってゆく。繰り返す自然のリズムは変わらない。この閉じた循環を讚えるかのように風は砂浜に森の姿を描き出す。世界屈指の温帯雨林を形成した太平洋からの風の"偶然の悪戯"である。
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