
ベルギー国内に残る鐘楼群は、13世紀以降中世ヨーロッパに台頭した市民が作った歴史の証でもある。商業や交易で力をつけた市民たちは、自分たちの街に高々と鐘楼を築いたのだ。打ち鳴らされるカリヨンは、街中に時を告げると共に、街に彩りを添える。1999年、ベルギー、フランドル地方とワロン地方の30の鐘楼が世界遺産リスト登録された。 |
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アントワープ市のノートルダム大聖堂北側の塔にある鐘楼。123mの高さを誇る最上階にはカリヨンが組まれている。カリヨンは、音程の違う多数の鐘を組み合わせて旋律を奏でる仕掛け。内部の鐘は、1633年に市民から寄進されたものが多い。 |
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巨大なオルゴールを思わせる、カリヨンの自動演奏装置。時に応じて種々の音楽が演奏され、市民たちの心をなぐさめてきた。カリヨンは、ベルギーのフランドル地方からオランダにかけて多くある。 |
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カリヨンを演奏する奏者。パイプ・オルガンに似た鍵盤を叩いて自在に音楽を奏でる。現在、ベルギーには、30人前後のカリヨン奏者がいて、各地の鐘楼で演奏している。19世紀、家々に時計が普及するようになり、人々の心から鐘が忘れられていたが、最近、また鐘への想いが復活してきた。 |
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