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水害対策・首都圏外郭放水路

9月19日(水)放送

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今年7月、列島を襲った「西日本豪雨」そして…

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都市機能を麻痺させることもある「ゲリラ豪雨」。
水害による被害、決して少なくありません。

首都圏の水害対策はどのようになっているのでしょう?気象予報士の尾崎さんがやってきたのは、埼玉県春日部市。春日部市周辺は、地形がお皿のような窪地のため、過去大雨の旅に浸水被害が起きていました。しかし、ある施設のおかげで、水害が大きく減ったというのです。

その施設を案内して下さるのは、
国土交通省関東地方整備局の高橋正樹さん。

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尾崎さん「のどかな風景のどこにあるのか分からないのですが、どこにあるんですか?」
高橋さん「あちらです」

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高橋さんが示した先に、黒いゲートが。倉松川の水を取り込む「取水口」とのこと。これが2006年に完成した「首都圏外郭放水路」。水害対策の切り札だと言いますが、どんな仕組みなのでしょうか?

高橋さん「周りの堤防より低いところ、越流堤(えっきょうてい)と言ってまして川の水があがってきたら、自然とあそこの施設に流れ込む仕組みです」

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写真の中央に通る白い堤が「越境堤」。実際に増水したときの姿はこうなります。

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増水した川の水が越境堤を越えて流れていきます。一旦、一旦、堤防の先に貯められ、その後黒いゲートの先にある巨大タンクのような施設に川の水を貯めると言います。その巨大タンクを特別に見せてもらいました。

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尾崎さん「うわ、すごい、深い!声が反響してますね」

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現れたのは、巨大な縦穴。増水した川の水を貯めるタンクの役割を果たし、水害から春日部市を守っているのです。
首都圏外郭放水路には、こうしたタンクが5つあり、ここは「第三立坑」と呼ばれる、一番大きいものです。

尾崎さん「実際ここが満タンになってしまうことあるんですか?」
高橋さんによれば、まさにそうなったことがあるとのこと。その際の様子がこちら。

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この第三立坑を含む施設全体で、池袋の「サンシャイン60」1杯分を貯めることができます。

高橋さん「せっかくなんで下まで」
尾崎さん「下まで降りれるんですか?ぜひお願いします」
ということで、エレベーターで移動。立坑(たてこう)の底に踏み込む尾崎さん。

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尾崎さん「こんなにお水が溜まってるんですか?今、外晴れてますけど…。未知の世界ですね、ここは」
そんな尾崎さんがそこから見上げてみた光景は。

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この巨大な縦穴は、あの自由の女神やスペースシャトルがスッポリ入る大きさなのです。さらにさらに。

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尾崎さん「入ってきてビックリしたんですけど、この横穴なんですか?」
高橋さん「全部でこの縦穴が5つありまして、その5つを結ぶトンネルですね」

この立坑が取水する「倉松川」以外にも「18号水路」「幸松川」「大落古利根川」などから取水する立坑は合計5つ。それらは地下50m・総延長6.3kmのトンネルで繋がっていて、水を分散できる仕組みになっているのです。
そしてこの巨大地下水路の最終地点には…

尾崎さん「ちょっと見てください、この広さ!」

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現れたのは、、、きょ、巨大な神殿?
サッカーグラウンドほどの広さの敷地に無数の柱が!ここが、5つの立坑から横穴を通じて最終的に水が流れ込む巨大プールのような施設「調圧水槽」なのです。
尾崎さんが見上げると、柱の上の方は色が薄く、下の方は色が濃いようです。その理由を訊くと、

高橋さん「【定常運転水位】と言いまして、あそこより水が越えないように江戸川へ排水しています」

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こちらが実際に「調圧水槽」が満水になったところです。ここで流入してきた水の勢いを一旦、落ち着かせたあと、江戸川の水位を確認しながら計画的に放流するのです。

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のどかな地上の光景からは想像できない、地下の巨大放水路。緊急時には25mプール一杯分の水を1秒で江戸川に放水するほどの力を秘めた地下の巨大施設は、今も静かに「その時」に備えているのです。

【首都圏外郭放水路】見学について
・インターネットで公式サイトをご覧の上「見学会」の項目から予約して下さい。

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