はやドキ!ワード

旬な話題、旬なトレンドから、一番気になるキーワードを掘り起こし
紹介する【はやドキ!ワード】
放送した、内容、場所等をご紹介します!

江戸凧職人

12月18日(月)放送

練馬区・田柄(たがら)にある江戸凧(えどだこ)工房「風切(かぜきり)」。凧を作り続けて40年、上野(うえの) 優(まさる)(68歳)さん。

イメージ

縁起物として江戸時代に大流行した「和凧」。なかでも長方形の和紙に「武者絵」「歌舞伎絵」などが描かれた「江戸角凧」が人気。新春の風に乗り、大空に舞う姿はお正月の風物詩となりました。

イメージ

「江戸角凧」の作り方を見せてもらう事に。まずは下絵から。

イメージ

和紙の上に下書きをして、墨で輪郭を辿って行きます。力加減は経験と勘。武士の迫力を出すには、「髪」の描き方が重要だと上野さんは言います。
上野さん「墨の量を間違えるとボテボテになっちゃうんですよ」

イメージ

髪の根本は色濃く、先に行く程、髪が一本一本際立つように描きます。本来は毛先が短いもので描きますが、上野さんは毛先が長いもの1本だけで書き上げます。
続いては「色入れ」。ポイントは染料と水をまぜ過ぎず着色。こうする事で「濃淡」がついてきます。

イメージ

これを二度塗り、三度塗り。表情に変化をもたらすことができるのです。耐水性の強い和紙を使用する事でできる着色方法。

上野さん「要はいきなり濃い色を塗っちゃうのもいいかもしれないけど、やはり薄く何回も手間掛けて自分の思う理想の色に近づけて行く」

力強く、そして繊細、江戸凧に求められるものは、手間を惜しまない根気。

イメージ

絵が完成すると、次は骨組み。1年から2年乾燥させた真竹(まだけ)を使用。
強度が均一になるよう薄く削り出して行きます。簡単そうで重要な作業。骨の強さにバラつきがあると、凧を安定して飛ばす事ができません。目の届かない凧の裏にも細工を施す、それが江戸っ子の「粋」です。

上野さんが作る江戸角凧、1枚作り上げるのにおよそ2週間。年間30枚ほどしか作れないと言います。そこまで手間暇かけるのには職人としての「ある夢」が…

上野さん「指先にねぇ、気障な言い方をするとね、うなりっていうか、風の声が聞こえるんですよ、指を通して。風を感じる事ができるんですよ」

イメージ

凧で感じる「江戸の風」。今の若い世代に伝えたい。それこそが職人、上野 優の夢なのです。

Twitter

アーカイブ

PAGE TOP