2週連続 内田康夫サスペンス 第1弾!『信濃のコロンボ5〜「信濃の国」殺人事件〜』

2017年11月20日

あらすじ

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「信濃のコロンボ」こと長野県警捜査一課・警部、竹村岩男(寺脇康文)は休暇をとり、妻・陽子(麻生祐未)と木曽へ小旅行にやってきた。今回も友人の町医者・丸山亮介(温水洋一)も一緒だ。木曽の名勝を訪れ、写真を撮ったり俳句を読んだりと上機嫌の竹村たちは、木曽の街中でバスツアー観光客と一緒になり、バスガイドが長野県歌「信濃の国」の説明をしているのを耳にする。その後、木曽の大橋を訪れ、橋から眺めを楽しんでいたが、パトカーのサイレンが鳴る音が聞こえてくる。

水内ダムで死体が発見された。遺体は信濃毎朝新聞の記者・牧田祐三(井上康)だった。竹村が遺体に近づくと、長野西署署長・安岡警視正(山田純大)が声をかけてきた。早速捜査を始めようとする竹村に安岡は、自分がいるから信濃のコロンボの出番はないかもしれないと牽制する。

捜査本部が立ち上がり、竹村も会議に参加する。司法解剖の結果、牧田は首を絞められて殺され、睡眠薬を飲んでいた。いつものように疑問を投げかける竹村だが、安岡は県警本部の応援はいらないと一蹴する。安岡はいわゆるキャリア組で、すでに警察庁での重要ポストを約束されている男である。長野県警捜査一課長・宮崎良雄(螢雪次朗)もノンキャリアがゆえに安岡の言いなりだ。安岡の動きは早く、牧田の部下・中嶋英俊(石垣佑磨)を重要参考人として連行する。中嶋が居酒屋で牧田と揉めているところを目撃されており、犯行時刻にアリバイがないのが決め手だというが、竹村は腑に落ちない。

そんな時、第二の殺人が起きる。暮白の滝の近くに絞殺死体が遺棄されていた。被害者は東京在住の谷口節男(舩坂裕貴)だった。睡眠薬を飲んでいたことがわかり、牧田殺しの手口が同じことから、竹村は2つの殺人事件を合同捜査にしたいと宮崎に申し出るが、谷口の事件だけを追うようにと却下される。
竹村は警視庁捜査一課の岡部警部(高橋克典)に電話で事情を話し、相棒の巡査部長・木下隼人(川村陽介)と東京へ向かう。3人が東京で聞き込みをした結果、やはり連続殺人の可能性が疑われ、牧田と谷口の共通点を調べることに。

一方、長野では県知事選が公示され、立候補者の一人である平沼武太郎(山本圭)の応援スタッフとして丸山と陽子が手伝っていた。平沼は演説の最初に「信濃の国」を歌うのが決まりで、長野のことを愛する平沼を秘書の入江紀子(平田薫)が献身的に支えている。

長野に戻った竹村の元に、中嶋の妹の美佐子(原田佳奈)と、中嶋の同僚で新聞記者という青木建夫(須田邦裕)が現れる。中嶋の無実を主張する青木に竹村は、牧田と谷口の事件のことを口にする。それを聞いた青木は美佐子とともに2人のことを独自に調べ始める。

同じ頃、第三の殺人事件が起きていた。甘利知美(わかばかなめ)が2つの事件と同じ手口で殺され、姨捨山長楽寺に遺棄されていた。竹村は3つの事件を合わせて捜査するべきと意見するが、宮崎は安岡を恐れて認めない。

そんな時、美佐子から連絡があり、牧田と谷口の父親が1980年代に長野県議会議員だったことがわかる。ちょうど長野オリンピックの招致を議論している頃だった。竹村は早速接触しようとするが、2人とも病気で亡くなっていた。

その夜、竹村は自宅で陽子に事件のことを話すと、陽子がある発見をする。3つの死体遺棄場所が「信濃の国」の四番の歌詞に出てくる場所ばかりで、そこには犯人の何らかのメッセージが込められているのではと言うのだ…。