バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #734 2020.10.3 O.A.

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プロ野球復帰を目指す息子と、それを支え続ける母…親子2人の物語
母は女手一つ、自分の人生のすべてをかけて、息子を広島カープの入団へと導いた。だが、その息子は、2年前に戦力外通告。そして、2度トライアウトを受けたが不合格。それでもあきらめ切れず、今年は、独立リーグで猛アピールしている…。当時、23歳の辻は、広島カープに所属。150キロを超えるストレートを武器に、カープの投手陣の中でも有望株だった。そんな辻を、プロ野球選手に導いたのが、母・夢美さん、52歳。夢美さんは、辻が1歳のときに離婚。介護サービスを行う団体職員として働きながら、女手一つで辻を育てた。プロ野球選手という我が子の夢は、母にとっても夢だった。夢美さんは、自分の父親が巨人ファンだった影響で、野球好きになった。そして、自分の息子も、野球に興味を持ってほしいと、毎週、グラウンドに連れ出した。プロ野球選手を目指す息子が、何よりの母の生きがいだった。そして…広島から育成選手としてドラフト指名され、息子はプロ野球選手になった。入団会見の場に、辻は母を呼び、親子で、夢が叶った喜びをかみしめた。だが、毎年のようにケガを繰り返していたこともあり、入団6年目の2018年、24歳で戦力外通告を受けた。辻は、広島をクビになった2018年に、トライアウトを受けるが、プロ野球からのオファーはなく、独立リーグの埼玉に入団。このとき、2度目となるトライアウトに、挑もうとしていた。トライアウトの受験は、2回までと規定がある。今回のトライアウトがラストチャンスだった。母・夢美さんも、実家の岐阜からトライアウトが行われる大阪へ駆け付け、息子を見守った。2人目の打者のバットをへし折るなど、辻は三人の打者をきっちりと抑えた。だが辻の元に、プロ野球からのオファーは来なかった。その後、親子は、独立リーグの埼玉で、もう1年野球を続けると決めた。そんな親子に、思ってもない試練が襲い掛かる…。母がガンと宣告されたのだ。当時は新型コロナの影響で、日本中が自粛していたとき。辻は、母の元をすぐに見舞いたい思いを抑え、毎日、メッセージのやりとりを続けた。そして、手術が近づく母のために、辻は鶴を折り始めた。手術の成功を祈ったお守りとともに、母のいる岐阜へ送るつもりだ。しかし、そんな辻にも大きなアクシデントに見舞われたのは、8月8日の神奈川戦。1球目を投げた後、右肩に違和感を抱いた辻。その後、投球を続けるが、22球を投げたところで降板。医師の診断では全治2か月の大円筋断裂だった。大円筋とは、肩甲骨からわきの下に通っている筋肉。速いボールを投げるピッチャーが、痛めやすい箇所だ。このまま野球に区切りをつけるのか、それとも来年も続けるか…人生をかけた決断が、なかなか出来なく悩んでいた辻。自分が最も信頼する先輩に相談することにした。広島カープの投手・薮田和樹、28歳。辻が広島を戦力外となった後も、自主トレを共にするなど、現在も親交がある。実は、これまで、度重なるケガに悩まされてきた選手だ。薮田に相談しながらまた覚悟を決め野球を続けることを決意。そしてケガから1か月後、キャッチボールが出来るまでに回復した姿がある。辻「今の僕の中の気持ちというのは、もう1年野球を続けようと思いました」その後、リハビリが遅れ、辻の2020年シーズン中の復帰はなくなったが、来年に向けて、今はしっかりと前を向いている。
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