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BACK NUMBER #497 2015.11.14 O.A.
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驚くべき進化を遂げる21歳 大谷翔平の真実に迫る
世界ランキング、上位12位で争う、真の最強国決定戦「世界野球プレミア12」が開幕。侍ジャパンは(11月13日現在)、予選リーグ3連戦と勢いに乗っている。そして、その快進撃の源は、紛れもなくこの男のピッチングだ。大谷翔平(21)。プロ入りわずか3年目の若き侍が、世界に衝撃を走らせた。速いのはストレートだけではない。150キロに迫る高速フォーク。翌日、メジャーリーグの公式サイトに
「大谷翔平は既にプレミア12を支配している」
と言わしめ、メジャーのスカウトからも賞賛された。大谷はプロ入りからわずか3年で驚くべき変貌を遂げていた。なぜ大谷翔平は、途方もない高みにまで進化できたのか?高校時代の秘蔵映像とともにその知られざる真実に迫る。
世界野球プレミア開幕の5日前、通常メディアが入ることを許されない場所で、こんな映像が記録されていた。それはブルペンで投げ込む大谷翔平の姿。開幕戦でバッテリーを組む東北楽天・嶋基宏のミットに本番さながらの真剣モードで投げ込んでいる。負けることは絶対に許されない。このとき大谷は、大事な一戦への途轍もないプレッシャーを感じながら投げていた。投球練習を終えるとコーチも交えサインを確認。そして5日後、大谷はあのマウンドに登った。侍ジャパンの運命を託された開幕投手。そのマウンドを21歳で務めるその胸には、どんな思いがあったのか?今やニッポン球界の宝とまで言われる男の道のりを独自の貴重映像で振り返る。
大谷は、3歳年上の菊地雄星が春のセンバツで準優勝した姿に憧れ花巻東に進学した。今からわずか3年前、大谷はまだあどけなさを隠せないごく普通の高校生だった。しかしこの頃から目標はずば抜けて高かった。チームとしては全国制覇。個人では160キロのストレートを投げること。そしてその実現のため徹底した自己管理を行った。トレーニングに加え、入念なストレッチを毎日欠かさなかった。さらに、プールトレーニングも取り入れ、関節に負担をかけず筋肉をつける。こうして柔軟性を保ちながら筋力アップをはかった。そして、高校に入学したとき、65kgだった体重を2年かけ86kgにまで増やした。大谷はその恵まれた体を最大限野球に生かそうと人一倍努力を重ねた。そして高校3年の夏の岩手県大会、準決勝でその名を歴史に刻む。高校野球史上最速の160キロをマーク。これまで、怪物と言われた多くの球児が、なし遂げられなかった大記録を大谷が見事達成した。伝説はプロ入り後も続いた。下半身の強化でストレートに重みが増し、質が向上。プロ1年目は変化球に頼らず投球の軸となるストレートに磨きをかけた。プロ2年目には、プロ野球記録と並ぶ、162キロをマーク。そして、ストレートに磐石の自信が出来たところで、最大の武器となる変化球を取り入れた。それがフォークボール。1年目には、ほとんど使わなかったフォークボールを2年目の途中から使いはじめた。これにより奪三振率が急上昇。大谷のピッチングに凄味が増した。そして大谷には「進化に欠かせない特別な能力がある」と、多くの関係者が指摘する。それは修正能力の高さ。投手は、天候や自身の体調など、様々な要因で投球フォームに微妙な狂いが生じる。しかし大谷は、その狂いを敏感に感じ取り、自ら修正できる。時には、相手の投手を見て良いところを盗み、自分の物にしてしまう事もあるという。投手としてだけではない。大谷はバッターとしても結果を残す2刀流選手だ。プロ2年目には、投手として2桁勝利を上げ、バッターとしても2桁ホームラン。ベーブ・ルース以来96年ぶりの記録を達成。そして3年目の今年は、開幕投手に指名され、その大役を果たす。シーズンを通し、安定した投球を見せ、終わってみれば最多勝・最優秀防御率・最高勝率の投手3冠を独占する大活躍だった。そして世界最高峰の舞台へ。大谷は日の丸を背負う開幕投手に指名された。初回からエンジン全開だった。3番バッターへの初球、自慢のストレートがうなりを上げる。そして2球目。自己最速162キロにあと1キロと迫る快速球。球場にどよめきが起こる。そして、韓国球界きってのヒットメーカー、キム・ヒョンスが空振り三振。しかしこれはまだ始まりに過ぎなかった。2回、韓国の中軸との対決。数々の超一流のバッターを完全に手玉にとった。2回以降、韓国打線は沈黙。そして5回、ノーアウト1塁2塁と、この試合、初めてピンチを背負った大谷だったが、表情は全く変わらなかった。ピンチの場面で、なんと3者連続三振。その瞬間、普段は感情を見せない大谷が雄叫びを上げた。大谷は6回を投げ無失点、ヒット2本に抑え、10奪三振。韓国打線を完璧に封じ込めた。
韓国を撃破した侍ジャパンは2戦目メキシコにサヨナラ勝ち。そして前回のWBC王者ドミニカ共和国にも勝利し、予選突破に大きく近づいた。果して決勝トーナメントで大谷の快投を見ることは出来るのか?
わずか3年で、世界屈指の投手に成長した、大谷翔平(21)。その止まらない進化の先に、どんなもう一つのバース・デイが待っているのか?楽しみでならない。
「大谷翔平は既にプレミア12を支配している」
と言わしめ、メジャーのスカウトからも賞賛された。大谷はプロ入りからわずか3年で驚くべき変貌を遂げていた。なぜ大谷翔平は、途方もない高みにまで進化できたのか?高校時代の秘蔵映像とともにその知られざる真実に迫る。
世界野球プレミア開幕の5日前、通常メディアが入ることを許されない場所で、こんな映像が記録されていた。それはブルペンで投げ込む大谷翔平の姿。開幕戦でバッテリーを組む東北楽天・嶋基宏のミットに本番さながらの真剣モードで投げ込んでいる。負けることは絶対に許されない。このとき大谷は、大事な一戦への途轍もないプレッシャーを感じながら投げていた。投球練習を終えるとコーチも交えサインを確認。そして5日後、大谷はあのマウンドに登った。侍ジャパンの運命を託された開幕投手。そのマウンドを21歳で務めるその胸には、どんな思いがあったのか?今やニッポン球界の宝とまで言われる男の道のりを独自の貴重映像で振り返る。
大谷は、3歳年上の菊地雄星が春のセンバツで準優勝した姿に憧れ花巻東に進学した。今からわずか3年前、大谷はまだあどけなさを隠せないごく普通の高校生だった。しかしこの頃から目標はずば抜けて高かった。チームとしては全国制覇。個人では160キロのストレートを投げること。そしてその実現のため徹底した自己管理を行った。トレーニングに加え、入念なストレッチを毎日欠かさなかった。さらに、プールトレーニングも取り入れ、関節に負担をかけず筋肉をつける。こうして柔軟性を保ちながら筋力アップをはかった。そして、高校に入学したとき、65kgだった体重を2年かけ86kgにまで増やした。大谷はその恵まれた体を最大限野球に生かそうと人一倍努力を重ねた。そして高校3年の夏の岩手県大会、準決勝でその名を歴史に刻む。高校野球史上最速の160キロをマーク。これまで、怪物と言われた多くの球児が、なし遂げられなかった大記録を大谷が見事達成した。伝説はプロ入り後も続いた。下半身の強化でストレートに重みが増し、質が向上。プロ1年目は変化球に頼らず投球の軸となるストレートに磨きをかけた。プロ2年目には、プロ野球記録と並ぶ、162キロをマーク。そして、ストレートに磐石の自信が出来たところで、最大の武器となる変化球を取り入れた。それがフォークボール。1年目には、ほとんど使わなかったフォークボールを2年目の途中から使いはじめた。これにより奪三振率が急上昇。大谷のピッチングに凄味が増した。そして大谷には「進化に欠かせない特別な能力がある」と、多くの関係者が指摘する。それは修正能力の高さ。投手は、天候や自身の体調など、様々な要因で投球フォームに微妙な狂いが生じる。しかし大谷は、その狂いを敏感に感じ取り、自ら修正できる。時には、相手の投手を見て良いところを盗み、自分の物にしてしまう事もあるという。投手としてだけではない。大谷はバッターとしても結果を残す2刀流選手だ。プロ2年目には、投手として2桁勝利を上げ、バッターとしても2桁ホームラン。ベーブ・ルース以来96年ぶりの記録を達成。そして3年目の今年は、開幕投手に指名され、その大役を果たす。シーズンを通し、安定した投球を見せ、終わってみれば最多勝・最優秀防御率・最高勝率の投手3冠を独占する大活躍だった。そして世界最高峰の舞台へ。大谷は日の丸を背負う開幕投手に指名された。初回からエンジン全開だった。3番バッターへの初球、自慢のストレートがうなりを上げる。そして2球目。自己最速162キロにあと1キロと迫る快速球。球場にどよめきが起こる。そして、韓国球界きってのヒットメーカー、キム・ヒョンスが空振り三振。しかしこれはまだ始まりに過ぎなかった。2回、韓国の中軸との対決。数々の超一流のバッターを完全に手玉にとった。2回以降、韓国打線は沈黙。そして5回、ノーアウト1塁2塁と、この試合、初めてピンチを背負った大谷だったが、表情は全く変わらなかった。ピンチの場面で、なんと3者連続三振。その瞬間、普段は感情を見せない大谷が雄叫びを上げた。大谷は6回を投げ無失点、ヒット2本に抑え、10奪三振。韓国打線を完璧に封じ込めた。
韓国を撃破した侍ジャパンは2戦目メキシコにサヨナラ勝ち。そして前回のWBC王者ドミニカ共和国にも勝利し、予選突破に大きく近づいた。果して決勝トーナメントで大谷の快投を見ることは出来るのか?
わずか3年で、世界屈指の投手に成長した、大谷翔平(21)。その止まらない進化の先に、どんなもう一つのバース・デイが待っているのか?楽しみでならない。