MainMenu

SPECIAL

2024.5.6

第5話終了後 キャストインタビュー
大地 葉(プリケツ役)

picture

ーー『変人のサラダボウル』という作品の印象からお聞かせください。

大地:最初に思ったのは、1人で異世界にきてしまう作品はよくあるけど、複数名で来るというのは斬新だなと思いました。しかもそれぞれで話が進んでいくんですよね。交わっているようで、絶妙に交わっていない。でも別にゼロではないという、キャラクター同士の絶妙な距離感というのが、他にはないなと思いました。

ーー確かに、サラ(CV.矢野妃菜喜)とリヴィア(CV.M・A・O)で、物語が別々に進行していくんですよね。そして時折それが交わるという。

大地:本当にそれぞれ過ぎて、これがどうやってアニメになるんだろうと、原作を読んだときは思いました。しかも、大きな事件が起こるというよりは、それぞれがちゃんと日常を生きているというのがすごくシュールで面白い。素敵な作品だと思いました。

ーーオーディションの思い出はありますか?

大地:テープオーディションで、プリケツだけを受けさせていただいたんですけど、すごく印象に残っていることがあるんです。オーディションの企画書に、どういう感じのキャラクターでいきたいのか、芝居の方向性のようなことが各キャラクターごとに書かれていたんですけど、プリケツのところには「少年っぽい感じで寄せてもいいかな」みたいな感じで書かれていたんです。

ーーちょっとアバウトですね。

大地:確かに原作を読んで、口調もそうですし、キャラクターのデザインもそうですけど、ボーイッシュに振っても間違いではなさそうなキャラクターだと感じてはいたんです。でも自分の中のプリケツのイメージもあったから、「これはもういっそのこと、2パターン録ろう!」と、マネージャーさんと一緒に、今の形のプリケツの芝居感と思い切り男の子っぽく振ったものを用意して両方送ったんです。あまりそういうことをしたことがなかったので、自分の中では思い出深い出来事でした。

ーー収録に行って、どちらの方向性で行くかを確認したのですか?

大地:というよりは、今のプリケツの芝居感が、自分的に一番しっくりきていたので、テストでそれをやってみたら、「それでいきましょう」という感じだったので、そのまま進めさせていただきました。

ーープリケツ(=弓指明日美)の、魅力に思うところを教えてください。

大地:プリケツにも夢とか目標があるんですけど、それが表にあまり出てこない、ナチュラル感があるところが、この子の魅力だと思っているんです。もちろん心の奥底では大きな夢を抱いていて、誰よりも正直に、一生懸命頑張っている子ではあるんですけど、「一生懸命頑張ってます、自分!」っていう押せ押せ感がないんですよね。だから夢に対する考えとかも押し付けがましくない。そこが魅力というか、この子の生き方なんだなと感じました。

だからお芝居をするときも、なんか自然に出てきちゃった感をすごく大事にしていました。この子は自然体でこうなんだなっていう、この子の中でのナチュラルラインを自分の中で決めて、そこをいつも狙って、お芝居させていただく感じでした。

ーーなるほど。でも、それが逆に重たく受け取られてしまって、バンド解散になったんでしょうね。あまりにもナチュラルにセクキャバで働いたりしちゃうから(第2話)。

大地:そうなんですよ! やばいこともバンドのためにさらっとやっちゃうんですよ。でもそれがプリケツのいいところなんだろうなって感じます。なんか許せちゃうというか。

ーー第5話は、プリケツ回でしたがいかがでしたか?

大地:この回で特に感じたんですけど、すごくテンポが速い気がしたんです。リヴィア役のM・A・Oさんとも「すごくぎゅっとしているから、セリフが被っちゃったらごめんなさい」って話してからテストをした記憶があるんです。

で、改めて台本を見てみたんですけど、本当に台詞がびっしりあるんですよね。しかも台詞の裏で、テレビから聞こえてくる音声とか(サウナシーン)、そういう細かいところまで入れると、結構な文字量で。しかも、ぎゅっとしているだけでなく、この回だけで、プリケツは随分精神を揺さぶられているんです(笑)。しかもそれがAパートに詰まっているから、Bパートって、私いないんです。

ーーかなり怒涛の展開でしたからね。

大地:普通だったら1話まるっと使うようなお話をAパートにぎゅっと詰め込んでいるというのが『変人のサラダボウル』なんですよね! Aパートの尺もちょっと長かったとは思うんですけど、それでも、ものすごくテンポのいい回だった印象があります。

ーー沈んでから立ち直るところまでいきますから。

大地:お風呂で夢を語り、サウナに入り、サウナで整い、夢破れ、夢をもう一度……みたいな(笑)。明日美の人生的に、結構大事なことがAパートで起こって、終わるという。

ーーあんなにキラキラ夢を語っていたのに、次の瞬間、バンドが解散していましたからね。

大地:そうなんですよ! だいぶ揺さぶられたなぁ。しかもカラオケ喫茶で歌も歌っていましたから。そう考えると、本当にこのAパートは何なんなんでしょうね。すごいな(笑)。

ーー歌に関しても、プロでやれるくらい上手いと言われていたから、プレッシャーもありますよね。

大地:歌は後日収録だったんですけど、オーディションのときも、1フレーズだけ、作品と関係ない歌のテストがあったんです。それも気合いを入れて歌っていたので、オリジナル曲はどんな歌になるんだろうなと思っています。
(※インタビューは、歌の収録前に行われました)

ーーアップダウンが激しいのも、ずっと流れで録っていくんですよね。どんな感じだったんだろうと思いました。

大地:特にシーンごとに止めてやったりはしていないので、スルッとそのままの気持ちで演じていたんですけど、逆に繋がった気持ちだったからこそ、バンドを辞めたいという話をされたときの絶望感が引き立って、やりやすかった感じはあります。すごく幸せだったのに、え!?みたいな。

ーー確かに、落差があったほうが絶望感が増すかもしれませんね。泣くところもグッと来ました。

大地:そこはもう、ガチで泣きました(笑)。ぎゃーってすごく泣いて、ト書きには「ボロボロ泣いてる明日美。一瞬大声になるが声なくなる」とあったんです。だから、泣き声が切れて、「こうして、ガールズロックバンド『節子それドロップやない』は解散したのだった…」っていうナレーションが入ると思うんですけど、そんなのは知らん!と、カット終わりまでギャンギャン泣きました(笑)。そこはたぶん使われていないと思うんですけど。

ーーいつもあっけらかんとしているプリケツが泣くからこそ、夢の本気度がわかるというか。

大地:かわいそうですよね。泣き方も本当にかわいそうな泣き方をしてしまったので、気の毒だなと思いましたけど、すぐに立ち直るんですよ。そこでまた夢を追いかけるのも彼女の強さというか。心の切り替えがうまいんです。しかも違う夢を見つけようとかではなく、同じ夢をもう一回追いかけるというのがすごくいいし、本当にかわいい!

ーーちなみに「~~っす」というプリケツの口調はどうでしたか?

大地:それはなんか得意だったみたいで(笑)。もしかしたら、普段からなんとかっすね!っていう話し方をよくしていたのかもしれないです。だいぶ違和感なく受け入れられたので。

ーーそのほかに、お気に入りのシーンはありますか?

大地:アバンのサラちゃんと惣助さん(CV.古川 慎)の自転車のくだりはすごく好きです。自由だなぁって思いました(笑)。この作品って、本当にいろいろなシーンが入り組んでいるじゃないですか。ここもプリケツの話とはまったく関係ないし、後半の転売ヤーの話もそうですけど、アフレコで見ていても全然違う話数を見ている感じがするんですよね。そういうことってあまり感じたことがないので、この作品の独特なところだなって思いました。

ーー第1~5話までで、印象的なシーンを教えてください。

大地:鈴木さん(CV.鳥海浩輔)のシーンが好きなんですよ。この人もまたリヴィアと出会ったことによって心が動くから、ちょっとプリケツと被るんです。結構どん底まで落ちてしまってたけど、出会いによって変化があり、そのあと自分から進んで動いていくところも、プリケツの境遇と同じ感じがしたので、エピソード含めて好きです。

ーー好きなキャラクターはいますか?

大地:やっぱりリヴィアが好きなんですよね。リヴィアって、無意識のうちに人の心を動かしまくっているんです。本人は全然そのつもりはないし、なんならこの人単体で見ると、ちょっとトンチキじゃないですか(笑)。いたって真面目にやっているのに、傍から見るとちょっとヘンテコでシュールで面白くて抜けている部分がある。そこが愛おしいんです。

私、本人は真面目なのになんかズレているキャラクターにハマりがちなので、リヴィアは見ていると、支えてあげたくなっちゃうんです。本人は支えたいと思っているキャラなんですけど、こっちが支えてあげたくなっちゃうくらい、かわいいんですよね。

ーー不憫ですしね。あんなに尽くしていたサラに相手にされていなさすぎですし。

大地:そうなんですよ! もっと優しくしてあげてほしい(笑)。「流れ的に死んだと思っておったのじゃが」って、もうちょっと言い方あるだろうって思ったし、そもそも思っていても言っちゃいかん!って感じだけど、そこでも2人の関係性がわかるというか。雑なことって良好な関係じゃないと成り立たないから、それを感じました。

ーーこの作品でのアフレコの思い出を教えてください。

大地:こんなに大人数で一気に録るのが久しぶりで、すごく懐かしい気持ちになっていました。コロナ禍に突入する前は、それがごくごく当たり前のことだったのですが。時には10人以上が同じブースにいたので、人が多い!っていうのは印象的だったかもしれません。そして、私はやっぱり人と人が掛け合いをしているのを見るのが好きなんだなって感じました。自分がやるのも楽しいですけど、自分には全く関係ないシーンで人同士が掛け合っているところを見ているだけで幸せな気持ちになりました。しかもこの作品は日常シーンが多いから、会話のテンポが大事になってくるんですよね。だから、みんなで録れたことは、すごく大事だったなと感じています。

ーー人のお芝居を見ることは、自分の成長にも繋がるでしょうからね。

大地:そうなんですよね! まだ復帰していない現場もあったから、この現場はすごくありがたかったです。最後までみんなで録ることができたので。

ーー面白いお芝居をしていた人はいましたか?

大地:ひたすら古川さんのツッコミが面白かったです。それも生で返すから面白かったんでしょうね。生きている台詞だなって、すごく感じました。やはりボケとツッコミがある作品は一緒にやるほうがいいなと思ったし、古川さんのツッコミは冴えまくっていました(笑)。

ーーでは最後に、第6話以降の見どころを教えてください。

大地:第6話もプリケツは結構がっつり出てきます。第5話でもプリケツの物語は随分動いたんですけど、第6話でも大きな動きがあると思います。見ている方にはお馴染みのキャラクターですけど、プリケツにとっては初めましての、新たな出会いがあるので楽しみにしていてください。

いろいろと繋がっていくのを俯瞰で見る面白さもこの作品にはあるので、それを改めて感じられる話数になっていると思います。ワクワクしながら見ていただければ嬉しいです!

関連リンク