手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

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手作りフリップ(2024年3月3日放送)

スウェーデンのNATO加盟…200年以上の”中立”政策から一転した理由とは?実は軍事強国?ロシアに及ぼす影響とは?

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2月26日、スウェーデンがNATOに加盟することが決まりました。200年以上の“中立”政策から一転した理由とは?実は「軍事強国」の一面を持つスウェーデンの強さとは?今回のNATO加盟はロシアに対してどのような影響を及ぼすのか?手作り解説でお伝えします。

■そもそもNATOとは…

そもそもNATOは、冷戦時代、旧ソ連に対抗する、西側の軍事同盟として発足。当初の加盟国はイギリスやフランスなどの12か国です。一方の旧ソ連側も、東ヨーロッパ8か国による「ワルシャワ条約機構」を作ってNATOと対峙してきましたが、ソ連崩壊に伴い解体。東欧・旧ソ連諸国など15の国が雪崩を打ってNATOに加盟し、「東方拡大」が進んでいったのです。

■32番目の加盟国となるスウェーデン

そして、今回、32番目の加盟国となるのがスウェーデンです。 水の上に浮いているような景観を持つ首都・ストックホルムや、青い海が広がるゴットランド島の街並みは、ジブリ映画「魔女の宅急便」のモデルにもなりました。そのスウェーデンは、なぜ今回、軍事同盟への道を踏み出したのでしょうか。

■200年以上“中立”から転換した理由とは…

1814年のナポレオン戦争以来、「中立」「非同盟」を外交の基軸に据え、他国との交戦を避けてきたスウェーデンですが、転換点となったのはロシアのウクライナ侵攻です。ロシアの脅威に直面し、世論の後押しもあり、おととし、当時のアンデション首相は「NATOに加わることがスウェーデンの安全保障にとって最善だ」と200年以上続いた「中立」政策に終止符を打ち、NATOに加盟申請したのです。

■北欧随一の「軍事強国」がNATOに加盟すると・・・

このスウェーデンですが、実は北欧随一の「軍事強国」とも呼ばれています。100機前後保有している戦闘機は、精密誘導爆弾や、このように敵のレーダーに”おとり”を作り出す電子戦装置を搭載しています。そして、NATOの戦力を高めると言われているのが潜水艦隊です。バルト海は平均水深が55メートル程と浅く、そもそも操縦が難しいとされています。さらに場所によっては海中の塩分濃度が異なり、潜水艦の浮力に影響するため、その技術が問われるのですが、1900年代から潜水艦を運用しているそのノウハウは他国の追随を許しません。現在、バルト海ではロシアが毎年軍事演習を行っていますが、スウェーデン加盟により、実質的に「NATOの海」となりそうです。さらに、ロシアは飛び地のカリーニングラード州に海軍基地を持っていますが、その真正面にあるのは、スウェーデンのゴットランド島。わずか300キロの距離にあり、ロシアの動きを監視することが出来るのです。スウェーデンのNATO加盟はロシアにとって大きな脅威となりそうです。

■今後の懸念はトランプ氏の“再選”

一方で、懸念されているのはアメリカ大統領選でのトランプ氏の再選です。2月、トランプ氏は、適切な国防費を負担しないNATO加盟国について、「防衛しない。むしろ好きに振る舞うようロシアにけしかける」などとロシアに攻撃を促すかのような発言をしていて、再選されればアメリカのNATO離脱を持ち出すとの見方も浮上しています。アメリカは、NATOの軍事費の7割近くを負担していて、仮に離脱すればNATOは極めて深刻な事態に陥ることになります。

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