手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,杉浦みずき ほか

手作りフリップ(2024年2月25日放送)

“半導体は国家の戦略物資” 世界的に高まる半導体需要と日本の立ち位置とは?

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世界一の台湾半導体メーカーが日本国内で初めて工場を開所。背景にあるのは半導体をめぐって世界中で繰り広げられる争奪戦や、開発競争。なぜ、いま世界で半導体の需要が急増しているのか?かつて世界一の日本がなぜ今低迷しているのか?復活はできるのか?手作り解説で説明します。

■AI普及等で半導体需要が急増

様々な電子機器に必要不可欠な半導体。例えば、2022年のサッカー・ワールドカップ・カタール大会で話題になった「三笘薫選手の1ミリ」。

VARと呼ばれる最先端のAI技術で測定、ボールが残っていると判定され、日本の逆転勝利につながりました。

これを支えたのが、中に半導体が入ったボール。正確な位置を把握できます。

こうしたAI技術の発展もあり、半導体の需要は急激に高まっています。

■小さくするため熾烈な開発競争

実際、電子機器の中にあるのは四角いチップです。

例えば、スマホのチップだと、およそ1センチ四方の中に数百億もの半導体でできた回路が詰め込まれています。

一つ一つの半導体の回路が小さければ小さいほど、同じ面積に多く搭載できるため高性能になります。

その大きさは、10億分の1メートル、ナノという単位で説明され、世界では、半導体をいかに小さく作るか、し烈な技術競争をしています。

■半導体製造で日本は出遅れ

主要な半導体をみると、スマホやAIの知能があるデータセンターで使われているのは10ナノ未満で、台湾、韓国、アメリカがほぼ独占しています。

今、実用化されている最も小さいものは3ナノです。

続いて、パソコンや電気自動車などに使われているものは10ナノから32ナノで、中国が入ってきます。家電や自動車など40ナノ以上のサイズになって、やっと日本が登場。

台湾の半導体大手TSMCの熊本第1工場は12~28ナノの量産、2027年の稼働を目指す熊本第2工場では6ナノの量産を予定しています。

■かつて日本は半導体で世界一

半導体で遅れている日本ですが、1980年代、世界シェア50%以上を占める時代がありました。

しかし、その後、世界で半導体の開発が進み、資本競争が過熱していくと、日本の半導体メーカーは単独ではついていけなくなったのです。

■いま半導体は“国家としての戦略物質”

さらに今、コロナの影響や米中対立などによって、半導体不足となり、2020年頃からは、ICカードから車まで々なものが、一時、販売中止や品薄となりました。

東京大学大学院の黒田忠広教授(元東芝研究者)は、「半導体は国家としての戦略物資になった。国を挙げて投資をしていかないと世界の競争に対抗できない」と指摘します。

■日本は官民挙げて半導体産業を推進

日本政府は、半導体産業に総額4兆円の補助金投入を決め、民間では、2年前に日本企業8社が出資して半導体メーカー「ラピダス」を設立。

北海道に工場を設置し、今後、5兆円規模の投資をして、最先端の3ナノよりも小さい、2ナノの量産を目指しています。

日本は技術力で半導体トップに躍り出ることはできるのでしょうか。

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