手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

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手作りフリップ(2024年1月28日放送)

日本が世界初の「月面ピンポイント着陸」に成功。JAXAの小型月着陸機「SLIM」が開けた「月の資源調査」の扉

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JAXAの小型月着陸実証機が世界で初めて月面ピンポイント着陸に成功。「降りたいところに降りる」という、月探査の新たな扉を開きました。加速する月面開発のカギとなる“ピンポイント着陸”、なぜ重要なのか?手作り解説でお伝えします。

■世界が注目「ピンポイント着陸」

JAXAの月探査機「スリム=SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)」、「賢い月探査着陸船」という意味です。高さ2.4メートル、重さ210キロ、人間より一回り大きいサイズです。2023年9月に打ち上げられました。

これまで月面着陸を成功させているのは、旧ソ連、アメリカ、中国、インドで、日本は5番目になります。それぞれ「世界初」がありますが、アメリカは人間が着陸、中国は月の裏側に着陸。インドは平らな地形が少なく難しいとされる月の南極付近への着陸を成功させています。 今回SLIMが達成したのは「世界初のピンポイント着陸」。

■逆立ちして着地…発電不能に

従来は着陸地点の目標は「数キロ範囲」でしたが、ピンポイント着陸は 「100メートル以内」。SLIMは、月の赤道のやや南側「神酒(みき)の海」エリアにある、目標のクレーターの東側55メートルに降りることができました。

ただ成功したとはいえ、トラブルもありました。降下中、高度50メートル付近で2本あるメインエンジンの一本が、何らかの理由で脱落。速度制御が不完全なまま、逆さにひっくり返った状態で着陸してしまったのです。本来なら、ソーラーパネルが上を向き、太陽の光を浴びて発電するはずだったのですが、太陽に背を向ける形になってしまい、電源が得られなくなってしまったのです。

それでも希望はまだあります。今はスリープ状態ですが、月が自転し太陽の光が当たれば、また目が覚め、画像などのデータを送ってくる可能性もあります。

■“ピンポイント”はなぜ重要?

それでもSLIMは、これまでの「降りられる場所に降りる」から「降りたい場所に降りる」という、月面探査の歴史の新たな扉を開いたのです。

なぜ、ピンポイント着陸が重要かというと、月の水を調べるのに有利になるからなのです。水は、水素燃料や、呼吸用の酸素にも活用できると見込まれています。水は月では氷状になっているとみられ、一年中、日が当たらない月の北極・南極などごく限られたエリアにあると予測されています。月の南極の写真を見てみます。青い色は氷の分布を示しています。探査機は、太陽光で動くので、そのすぐ近くの“ギリギリ日光が当たる明るいところ”に降りないといけないのです。

■“早いもの勝ち?”月の資源開発

月には、水のほか鉄、チタンなどの鉱物資源が眠っているとみられていますが、その扱いについて明確な取り決めはなく、「早い者勝ち」となる可能性も指摘されています。

また、アメリカが主導し、日本も参加する「アルテミス計画」では、2026年に、人間を再び月に送り込むことや、月に拠点を建設し、人類の持続的な活動を目指しています。民間企業も含め、「月開発競争」は、ますます加速しそうです。

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