手作りフリップ(2023年9月17日放送)
阪神「アレ」の勝因は?ホームラン数12球団中10位でも得点数1位のワケ…これまでの優勝との違いとは?

18年ぶりの優勝を果たした阪神タイガース。バース、掛布、岡田の3連発に象徴される85年や、絶対的エース井川がタイトルを総なめにした03年、MVP金本らの活躍が印象的な05年の優勝時と違い、突出した成績の選手はいません。
ホームラン数は12球団で下から2番目の少なさで、3割打者もゼロ。ところが、得点数は12球団ナンバーワン。いったいどのように点を取り、ぶっちぎりの優勝を手にしたのか?岡田監督のこだわりが実を結んだポイントは?手作り解説でお伝えします。
阪神タイガース “悲願のアレ”
とうとう「アレ」を成し遂げた阪神タイガース。お祭り騒ぎとなる大阪・道頓堀の周辺には、1300人の警察官が配置され、特に人が集まる戎橋や道頓堀橋の付近には、「DJポリス」のお立ち台が5箇所設置されました。
2003年の優勝時には5300人以上もの人が川へ飛び込み、1人が死亡していますが、今回は大きな混乱はありませんでした。
長く続いた暗黒時代 “カーネルサンダースの呪い”
道頓堀でのこうした騒ぎが始まったのは、1985年の優勝時。
この時はケンタッキーフライドチキンの「カーネルサンダース像」が優勝の立役者ランディ・バースに似ているといわれ、戎橋の上で胴上げされたあと川に放り込まれました。
その後、阪神の成績低迷が続いたため“カーネルサンダースの呪い”とも言われました。
過去の優勝には立役者たちの存在が
このバースが三冠王を獲得し、掛布雅之、岡田彰布による「伝説のバックスクリーン三連発」などで優勝したのが1985年。ここに、川藤幸三さんもいらっしゃたんですよね。
また、2003年に優勝した時は、エース・井川慶投手が、最多勝や防御率などのタイトルを総なめにしました。
そして前回、2005年の優勝時には、盗塁王・赤星憲広や、打点王・今岡誠、MVPの金本知憲選手らが活躍しました。
今回の阪神は突出した選手がおらず…
しかし、実は今回は、これまでのような突出した成績の選手がいないんです。
例えば、ホームランと打点で、チームトップの佐藤輝明も、セリーグのランキングでは、6位と3位にとどまっています。(9月16日時点)
チーム全体で見ても、ホームランの本数は、巨人の半分にも及びません。これは12球団で下から2番目の少なさです。ところが、総得点を見てみると巨人を上回り、12球団トップなんです。(9月16日時点)
今回の阪神の強さとは?
では、どのようにして点を取ってきたのか。
優勝が決まった試合のメンバーに3割バッターはいません。(9月16日時点)
そんな打線の中でキーマンの一人が、「恐怖の8番」とも呼ばれる木浪聖也。
通常、打率のいいバッターは打順が上位に置かれますが、木浪は3割近い高打率を残しているにもかかわらず、シーズン通して8番に固定されました。
8番木浪が出塁すると次は9番のピッチャーですが、その後に続くのが、1番の近本光司。
すごいのは得点圏打率。なんと12球団トップで4割に迫る脅威の打率です。
木浪を塁において、チャンスにめっぽう強い近本がホームに返す。こうした8番から1番に繋がる「切れ目ない打線」が、2023年の阪神の強みでした。
さらに、「フォアボールはヒットと同じように重要」だと話す岡田監督は、フォアボールの査定ポイントを上げるよう球団側に交渉。
すると、フォアボールの数も12球団トップとなり、地道に出塁してコツコツと返す野球が徹底されました。
目指すは38年ぶりの日本一
18年ぶりのリーグ優勝を勝ち取った阪神タイガース。次なる虎の目標は38年ぶりの日本一。ちなみに「アレ」に変わる言葉は“募集中”だそうです。