手作りフリップ(2020年12月6日放送)
「感染予防…抗体はできる?」
※ 一部端末では動画がうまく再生できない場合がございます
新型コロナウイルスの「中和抗体」。
「中和抗体」とは、ヒトが感染すると体内で作られる抗体の内、感染を予防する働きをもつものを指します。

これまで、海外などからは「新型コロナは抗体が持続しづらい」といった報告がされていましたが、横浜市立大学などの研究チームが、新型コロナに感染し、その後回復した20代から70代のおよそ400人を対象に調査したところ、無症状・軽症者の97%、中等症・重症者の100%に、半年後も、中和抗体が残っていたのです。
新型コロナは、変異ウイルスによる再感染の可能性も危惧されていますが、横浜市立大学の後藤教授は「ウイルスが変異しても、中和抗体を保有していれば感染リスクを下げることができる」として、ワクチンの効果にも期待が持てるとしています。

そのワクチンですが、イギリスでは、アメリカのファイザーなどが開発する新型コロナワクチンの使用が承認され、あす7日にも、接種が始まります。
ただ、ファイザーのワクチンについては、アメリカのウォールストリートジャーナルは原材料の調達に課題があり年内の供給量が半減したと、報じるなど、まだ予断を許さない状況です。
新型コロナのヒトへの感染方法と、重症化する仕組みも、少しずつわかってきました。 新型コロナがもつ、「スパイク」と呼ばれる突起が、人間の細胞の表面にあるACE2(エースツー)と呼ばれる受容体と結合することで、細胞内に侵入。増殖し、重症化につながるというのです。

ACE2は、肺、心臓、小腸などの細胞、鼻や喉の粘膜に多く見られ、これが、咳や味覚・嗅覚の異常、下痢などの症状を引き起こすと見られています。
さらに、慶応大学の岡野教授らは、脳でも、ACE2が多く見られる部分を確認。 髄膜炎や意識障害など、脳がダメージを負う一因と指摘しています。 また、ASE2は、年齢と共に増加するとされていて、年齢が高いほど、重症化のリスクが上がることに関係していると見られています。

そしてワクチンとは別に、ACE2から感染する仕組みを利用した治療薬の開発も、注目されています。 ACE2の100倍強くウイルスと結合する「特殊なたんぱく質」を利用して感染を防ぐもので、「ウイルスが変異しても効果が薄れない強みがある」として、期待が寄せられています。
ワクチンと治療薬、2つのアプローチで、感染拡大に歯止めをかけられるのでしょうか。
