手作りフリップ(2020年4月26日放送)
「新型コロナ…抗体検査とは?」
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「抗体検査」とはどのようなものなのでしょうか?
新型コロナの検査方法として知られるPCR検査は、ウイルスが体内にいるのかどうかを調べる検査です。

一方、抗体検査は、ウイルスが体内に入ったあと、人間の体はウイルスを撃退するために「抗体」という物質を作り出すのですが、この「抗体」があるのかどうかを調べる検査です。「抗体」はウイルスがなくなったあとも、体内に残るため、過去に感染した人も分かります。
検査方法は指先に針を刺し、少量の血液を採取して、キットに1滴うつすだけです。 15分程度で結果も出ますので、PCR検査に比べてずっと手軽です。

イギリスのジョンソン首相は、1か月以上前から抗体検査を「ゲームチェンジャー(状況を好転させる道具)となる」と評価していました。「抗体検査で過去に感染していたことが分かれば、免疫があるということで、通常の生活に戻れる」と考えたからです。

ところがWHOはイギリスのこうした考え方自体に異を唱えました。
新型コロナの場合、抗体検査で陽性であっても、「ウイルスを攻撃する抗体が、体内で十分に作れない人もいる」ことが確認されたからです。
ただ抗体検査は、感染の実態を把握する方法としては、有効だと考えられています。
現在、世界の感染者はおよそ286万人ですが、このほとんどは病院を受診してPCR検査などを受けた人の数です。検査を受けていない人も含めた実際の感染者数は、この数を遙かに上回るとみられます。

実際、抗体検査を行ったアメリカのニューヨーク州では確認されている感染者の10倍、カリフォルニア州ロサンゼルスでは最大で55倍の感染者がいる可能性があるとの結果が出ました。
感染拡大がどれだけ進んでいるのか、本当の致死率はどれくらいなのか、無症状の感染者はどれくらいの割合でいるのかなど、現在の状況を知るためにも、抗体検査は必要だと考えられているのです。

こうした中、日本でも水曜日から「抗体検査」が開始されました。
今回の検査は、使用する検査キットの性能評価が目的で、厚生労働省から依頼を受けた日本赤十字社が、献血で得た血液を利用して、感染者の多い東京と、感染者の少ない東北を対象に行います。
どういった結果がでるのでしょうか?
