手作りフリップ(2020年4月5日放送)
「感染爆発で…医療は大丈夫?」
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こちらはスペインの病院内の写真。病室に入りきらなくなった大勢の患者が、廊下に並べられたベッドで手当を受けています。

深刻な医療崩壊に直面している、欧米諸国。感染者が急増した場合、不足するのが、人工呼吸器です。
危機的な状況が続いているアメリカ・ニューヨーク州では今後3万7000台が必要とされていますが、3月末時点で1万2000台しかなく、クオモ知事は2日の会見でこのペースだと「あと6日分しか持たない」と警告。 1台に2人を繋ぐことを許可するなど、非常時の対応を余儀なくされています。

一方、日本では、現在、新型コロナ用に8000台を確保しているといいますが、感染爆発が起こった場合、足りなくなる懸念があります。
そもそも人工呼吸器は重症患者が呼吸不全をおこし、血液中に酸素が取り込めなくなった場合、肺を膨らませて、機能を補助し、呼吸を維持するために使います。 それでも間に合わない場合はECMOと呼ばれる体外人工肺装置を使うことになります。 亡くなる直前の志村けんさんの治療に使われました。

これは患者の血液に直接酸素を入れ、二酸化炭素を除去し、血管に戻すことで、肺の代わりの役割を担います。日本では2日までに40人に使われ、21人が回復。 最後の切り札とされて、新型コロナ用に全国で400台が確保されています。 ただ、厚労省の試算だと東京だけでピーク時に、700人の患者が重症になるとされていて、そのうち何割が、ECMOを必要とするほど重篤化するかは不明ですが、これらの台数では足りなくなる懸念も上がっています。
さらにECMOを使うには、患者1人につき、熟練した医療スタッフ10人~20人も必要とされていて、人手が不足すると指摘されています。

そしてもう1つ不足が心配されるのがベッドの数です。 東京都の場合、新型コロナ用に確保しているベッド数は3日時点で750床で、704人が入院しています。
そのうちの重症は22人で、多くは軽症・中等症で、このうち軽症患者については、金曜日に厚労省が自宅や宿泊施設などで療養する方針を示しました。 東京都は中等症・重症者合わせて4000床の確保を目指しているといいますが、まだ大きな開きがあります。
さらに東京ではピーク時、軽症含め、入院が必要な患者はおよそ2万500人という厚労省の試算もあり、予断を許さない状況が続いています。
