手作りフリップ(2020年1月19日放送)
「感染拡大?新型コロナウィルス」
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感染拡大が懸念されている新型コロナウイルス。
名前の由来は、ウイルスの表面の突起が王冠に似ていることから、ラテン語で王冠を意味する“コロナ”から付けられました。太陽のコロナも同じ語源です。

中国当局の発表などによると、新型コロナウイルスの感染が確認されたのは、中国の武漢市で62人、日本で1人、タイで2人です。 また感染が疑われている患者は、アジアの複数の都市に広がっていて、その多くが武漢市に滞在歴などがあったと報じられています。
感染すると発熱や咳、息切れなどを発症し、悪化すれば呼吸困難や肺炎を引き起こします。

コロナウイルスといえば、2002年から3年にかけて中国で流行し、774人が死亡したSARS=重症急性呼吸器症候群や、2012年からサウジアラビアなどで流行し、858人が死亡したMERS=中東呼吸器症候群もコロナウイルスが原因でした。
SARSではコウモリのコロナウイルスが、MERSではヒトコブラクダのコロナウイルスが、人に感染して重い肺炎を引き起こしたと考えられています。
今回のコロナウイルスでも、感染を広げた武漢市の海鮮卸売市場では、鳥や、ヘビ、コウモリなども売られていて、こうした動物からの感染が疑われています。

近年、都市間の交通網が発達し、飛行機で海外への行き来が簡単になるなど、かつてより感染が広がりやすい事情もあります。SARSは32の国と地域、MERSは27カ国で感染が拡大しました。
SARSでは、当初、中国当局が情報を隠したため感染が拡大したという経緯もあります。 今回もイギリスの研究チームが中国当局の発表よりも、はるかに多い、約1700人が感染しているという推計をまとめていて、波紋が広がっています。
感染力は今のところインフルエンザよりは弱いとされていますが、インフルエンザのような特効薬がなく、隔離した上で対症療法で治療するしかありません。

コロナウイルスは流行期のカゼの原因のうち35%を占めるとされ、実は私たちに身近なウイルスではあります。ただコロナウイルスは変異しやすく、この新型ウイルスが感染を繰り返すうちに強くなっていく懸念もあり、厚労省などは警戒を強めています。
