手作りフリップ(12月15日放送)
「どうなる?イージスアショア」
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北朝鮮などからのミサイルに備え、早ければ2025年に配備される計画の地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」。
イージス(Aegis)とはギリシャ神話に登場する「ゼウスの盾」、アショア(Ashore)は、「陸上」という意味です。
価格は、運営費を含めておよそ4400億円で、新型レーダーの試験施設の費用など、今後さらに膨らむ可能性もあり、その導入の是非が議論を呼んでいます。

防衛省は日本全体をカバーできるとして、秋田市の新屋演習場と山口県萩市と阿武町にまたがる、むつみ演習場の2カ所を選定していましたが、6月以降、秋田への説明に使った調査報告書のデータに複数の誤りがあったことが発覚。
その後、秋田市で開かれた住民説明会で、防衛省職員が居眠りするなどしたことで住民の反発が強まり、7月の参院選の秋田選挙区ではイージス・アショアの配備に反対する野党系候補が勝利しました。

こうした事態から、政府は秋田の新屋演習場を含めた東北の全ての候補地について「ゼロベースで見直す」としていますが、菅官房長官は「現段階は再調査中で、新屋演習場への配備を断念した事実はない」と述べています。
配備に反対する住民たちは、住宅地から近いことで、
▽有事の際に攻撃の対象にならないか、や
▽迎撃ミサイルの部品の落下、
▽レーダーから発せられる電磁波の影響、
などを懸念していますが、そもそもイージス・アショアの購入は、アメリカにとって有益との指摘もあります。

アメリカの保守系シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が去年5月に発表した報告書では「日本のイージスアショアは米本土を脅かすミサイルを前方基地、(つまり日本)で追跡するという目的を果たす可能性がある」「アメリカにとって10億ドルの大幅な経費節減となり得る」などとしています。

さらに、イージス・アショアは弾道軌道で飛んでくるミサイルの迎撃を前提としています。最近ミサイル発射実験を繰り返している北朝鮮は、低い高度を飛んで落下直前に変則的な軌道を描く弾道ミサイルも開発していて、そうした変則軌道のミサイルに対しては、イージスアショアでは迎撃が困難だとして、自民党の中谷元防衛大臣は「一度立ち止まって、ミサイル防衛を考え直していかなければならない」と計画を見直すべきと話しています。
イージス・アショアは本当に“日本の盾”になるのでしょうか?
