手作りフリップ(11月24日放送)
「“プラゴミ”が世界の海を…」

大きな問題となっている海の“プラスチックごみ”
こちらはインドネシアで見つかったプラスチックを食べて死んだとみられるクジラです。
胃の中には、ビニール袋などの“プラスチックごみ”がたくさんあります。
そして、こちらはポルトガルで発見されたプラスチックの破片が詰まっている海鳥の死骸です。 いま世界では、動物たちの身体の中から“プラスチックごみ”が次々と発見されています。

こうした“プラスチックごみ”は、世界で年間およそ3億トンも発生しています。 その多くは燃やされたり、埋め立てに使われたり投棄されたりしていて、リサイクル率は2割弱にとどまっているのが現状です。 そして、少なくとも毎年800万トンもの“プラスチックごみ”が、海へと流れ出しているという試算もあります。

とてつもない量の“プラスチックごみ”ですが、なかでも問題となっているのが、「マイクロプラスチック」と呼ばれるプラスチック片です。 これは、海へ流れ出た「プラスチック」が、紫外線や波の力で徐々にボロボロにされ、最終的に5ミリ以下にまで小さくなったもののことを呼びます。
実寸大の「マイクロプラスチック」は、こんなに小さいんです。
こんなに小さいものが、いま地球全体の海に漂っているそうです。
黒い部分が陸地で、緑や赤になっている部分が海です。
色の濃い部分が比較的濃度が高いとされるところですが、アメリカや日本、中国や東南アジアなど、地球規模で汚染が広がっているのがわかります。

マイクロプラスチックに詳しい東京農工大学の高田教授によると、マイクロプラスチックは「世界中の魚貝類などから検出」されていて、「食物連鎖などによってすでに人も取り込んでいて、気づかないうちに影響を受けている可能性も」あるのでは、と危惧しています。

今年6月に開催されたG20大阪サミットでは、「2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロとすることを目指す」としましたが、この問題は、地球規模で“待ったなし”の喫緊の課題となっています。
