手作りフリップ(10月27日放送)
「強い毒…ヒアリが日本に?」
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環境省が9月から行っていた調査で、東京・青海埠頭から「ヒアリ」の女王アリ50匹以上と、働きアリおよそ750匹が確認されました。
状況から一部の女王アリはすでに巣から飛び立った可能性が高く、政府は『これまでの事例とは次元の異なる事態』と述べています。

火の蟻と書いて「ヒアリ」。英語名“Fire ant”。
強い毒を持ち最悪の場合、刺された人が死に至ることもあります。刺されると火傷のような激しい痛みを感じることから、この名が付きました。
同じ働きアリでも2.5ミリから6ミリと、大きさに個体差があるのが特徴で、色は赤茶色です。

そしてヒアリはとても攻撃的です。
巣を刺激すると、毒針をもった「働きアリ」が一斉に出てきます。
集団で襲いかかる習性があり、誤って手を着いたりすると非常に危険です。
本来は南米に生息するヒアリですが、1940年代頃からアメリカやカリブ諸島に侵入。 2000年以降は貨物船などで拡散し中国やオーストラリアなど15の国と地域で確認されています。日本では2017年に見つかりました。
あります
最も恐ろしいのが、毒針による健康被害。急性アレルギー症状=アナフィラキシーショックで、死亡する事例も確認されています。
果実や根菜を食べ、農作物を傷つけます。
家畜は刺されることで乳が出なくなったり、電気・通信設備に巣を作り、配線をショートさせることも
最も被害の大きいアメリカでは、対策費などと合わせて年間1兆円以上掛かっているそうです。またいったん繁殖し、ある土地に定着すると、根絶は難しいといわれています。 繁殖力がとても強いためです。

女王アリは交尾後、卵を産む前に羽が取れます。巣の中で交尾と産卵を繰り返し行います。また同じ巣に多数の女王が存在する巣もあれば、交尾の前後にオスと連れだって飛んで行き、別の場所で産卵するものもいます。5キロ以上飛ぶ能力があることが分かっています。
いずれの女王も生涯で150万個もの卵を産みます。
専門家によると、この冬を越すヒアリがいれば、定着のリスクは格段に高まるといいます。
政府は国内での定着を阻止するため、まず女王アリが確認された青海ふ頭における、ヒアリ駆除を徹底的に行い、全国65の港湾と31の空港を緊急点検し、必要に応じて薬剤を散布、市民に対しては、ヒアリの集団や巣をみつけた場合、最寄りの市町村に連絡する など、正しい対応の呼びかけを、徹底するとしています。
