手作りフリップ(9月22日放送)
「衝撃…無人機がサウジ攻撃」

今回、サウジの石油施設に大規模な被害を与えた、小さな無人機。
アメリカには、この無人攻撃機の父と、呼ばれる人物がいます。
1970年代に開発に着手した、イスラエル移民のエイブ・カレム氏です。
カレム氏は、自宅のガレージで、安価で高性能の無人機を開発。
この1980年代に作った無人機を元にして作られたのが、プレデターです。
90年代には、各種センサーを搭載した監視目的の無人偵察機だったのですが…その後、CIAが、このプレデターに対戦車ミサイル「ヘルファイア」を搭載しました。

9.11アメリカ同時多発テロのおよそ1年後の2002年、アメリカ本土の基地から指揮を執りながらから、1万キロ以上離れたイエメンで、遠隔操作の上、アルカイダの幹部を殺害。 これが、無人機による最初の攻撃とされています。
その後、イエメンだけではなくアフガニスタンやシリアなどで幅広く使用され、プレデターよりも高性能な、これらの無人機の開発が進んでいます。
一方、今回、サウジの石油施設を攻撃したとされるイランは、墜落したアメリカの無人機などを手に入れ、分解。模倣して無人機を作っているとみられます。 すでに爆弾を搭載したまま、飛行距離が1000キロを越える無人攻撃機を完成させていて、 これは、対立するイスラエルにも届く距離で、大きな脅威となっています。

こちらは、イランが開発した無人攻撃機の1つ“アバビール”。
“アバビール”の由来は、イスラム教の聖典コーランにあります。
その昔、敵が、象の部隊を率いて、メッカに進軍してきた際、神の指示により、鳥たちが、象の部隊に対して、石を投げつけて撃退。 この“鳥の部隊”が『アバビール』という名前なのです。
これまで、10年以上にわたってアメリカとイスラエルがドローンの開発と実戦においてリードしていきましたが、イギリスのシンクタンクが、去年、発表した報告書によると 現在は第2世代が生まれてきていると指摘しています。

それは、イランや中国などの9つの国。
さらに、国家ではない、『フーシ派』『ヒズボラ』『ハマス』『クルド労働者党』『イスラム国』、テロ組織を含む5つの名前を挙げています。

軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんによると、無人機の費用は1機、数十万から数百万円。安価で小さなドローンが、大きな被害をもたらしかねない、いわゆる『貧者の兵器』として、世界に拡散するかもしれません。
