手作りフリップ(8月4日放送)
「名馬・ディープインパクトとは」
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先月30日、この世を去ったディープインパクト。
頚椎に骨折が見つかり、回復の見込みが立たないと判断され、安楽死の処置がとられました。競走馬の平均寿命が25歳ほどといわれている中で17歳という若さでした。

馬主の金子真人氏が瞳の輝きに吸い込まれそうな衝撃を受けたことから、名付ける際に、多くの人々に強い衝撃を与える馬になってほしい、という思いを込めて「ディープインパクト」、“深い衝撃”と名付けました。
競走馬は体が大きい方が歩幅も広いため有利と言われていますがディープインパクトは、競走馬の平均体重が500キロほどといわれているところ、400キロと体が小さく、デビュー前はあまり期待されていなかったのですが、2004年にデビューすると、その体の小ささからは想像できないような大きな歩幅を生かした走りを、武豊騎手も「まるで飛んでいるような走り」と絶賛。

ゴール前の強烈な追い上げから瞬く間に人気となり、翌年の3歳馬が出場するレースの内、最も格式が高いとも言われる皐月賞、日本ダービー、菊花賞まで一度も負けることなく制し、史上2頭目となる「無敗の三冠馬」になりました。
三冠馬を達成したあと、有馬記念でおしくも2位と国内で初めて負けてしまい、2006年、フランスで行われた凱旋門賞でも、海外でレースをする難しさからか治療のために使用した薬物が問題となり失格となってしまいましたが、それでも、その後は負けることなく、生涯戦績14戦12勝で2006年に現役を引退しました。

引退後の2007年から種馬として活動してきたディープインパクトですが、その種付け料は、なんと今年は1回4000万円。
これは、公表されている金額としては世界最高額です。
それにも関わらずディープインパクトはこれまで年間およそ200頭と交配を行っていました。
高額にも関わらず、なぜディープインパクトの子供が欲しいという声が後を絶たないのか。 それは競馬において「血統」の持つ重要性が計り知れないからです。
事実、これまでディープインパクトを親に持つ競走馬は1200頭以上デビューしていますが、子供の通算勝利数は1900を超えるなど、日本最高峰のレースで活躍するような馬を次々と生み出しています。

今年、春の天皇賞を制したフィエールマンと日本ダービーを制したロジャーバローズは、ディープインパクトが勝つことができなかった凱旋門賞へ参戦が決まっていて、父が果たせなかった勝利を掴んでくれるのではないかと期待されています。
子供たちがその伝説を受け継ぎ活躍していくことで、「ディープインパクト」の名前はこれからも人々に衝撃を与え続けていくでしょう。
