手作りフリップ(7月21日放送)
「どうなる?サンマ漁」
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来年から日本や中国など8つの国と地域で、年間のサンマ漁獲量の上限を、中国や台湾が主に漁場とする公海は33万トン、、日本が主に漁場とする排他的経済水域は22万6250トン、合わせて55万6250トンにすることで合意しました。
実は日本では10年前まで20万~30万トンあったサンマ漁獲量が、2015年以降、半分程度にまで減少したことが問題になっていました。 なぜここまで減ってしまったのでしょう?
原因の1つに、中国・台湾がサンマの漁獲量を急激に増やしたことがあります。

10年前にはサンマ漁すらしていなかった中国が2018年には9万トンに。2000年にはおよそ3万5000トンだった台湾が、2018年には日本を上回る、18万トンにまで増やしていました。中国・台湾の漁の様子を捉えた映像があります…。
北海道沖で撮影された映像…遠くに見える沢山の赤い光は、中国や台湾のサンマ漁船です。中には日本の50倍もの大きさの漁船を使って、大量のサンマを一気に捕獲するものもあるそうです。
中国や台湾は公海で、日本は主に排他的経済水域で小型船を使って漁を行っています。8月頃から脂の乗ったサンマが、回遊ルートで日本の排他的経済水域に入ってくるのに合わせて、サンマ漁は8月から解禁されていました。

ところが中国や台湾は一足先に春からサンマ漁を行うため、「先取り」された形となっていました。そのため日本は今年から1年中、サンマ漁ができるにようルールを改正しました。
さらにもっと深刻な理由もあります。サンマそのものの量が減っているのです。2000年の頃は、北太平洋にはおよそ400万トンのサンマがいましたが、おととしには3分の1の130万トン程度にまで減ってしまいました。

「乱獲?」や「温暖化?」などが原因にあげられていますが、科学的な根拠のある明確な原因は、まだ解明されていません。
そして今回、日本や中国など8つの国と地域が年間の漁獲量を、56万トンにすることで合意したわけですが、実効性には疑問点もあります。
そもそも日本は漁獲量の上限を「45万トン」と提案していましたが、中国などの「反対」にあい10万トン上乗せすることになりました。

また最も難しい課題である、国ごとの「漁獲量の振り分け」については…来年に先送りとなり、実効性のある対策となるのか、まだ不透明さを残しています。