手作りフリップ(4月21日放送)
「横綱・白鵬、日本国籍取得へ」

先月の春場所で史上最多42回の優勝を果たした横綱・白鵬が、日本国籍取得に向けて、モンゴル国籍離脱申請を行っていることが分かりました。
引退後も相撲界に残り、「親方」として後進の指導にあたる意思を固めたと見られています。

さて「親方」になるには必要な条件があります。まず日本国籍を持っていて、 番付としては「三役1場所以上」「幕内通算20場所以上」「十両幕内合わせて30場所以上」と、このいずれかを満たした上で、「年寄名跡」という、いわば「親方を襲名する権利」を、他の人から取得しなければなりません。
これとは別に「一代年寄」という制度があります。相撲界に多大なる功績を残した力士に、一代限り「年寄名跡(としよりみょうせき)」が認められるもので、相撲協会が決定します。

1965年に設けられ、これまでに「大鵬」「北の湖」「千代の富士」「貴乃花」と、4人しか選ばれていません。優勝20回以上がひとつの目安といわれています。実は、白鵬は数年前から、モンゴル国籍のまま「一代年寄」に認めてもらえるよう、訴えていたという、報道もあります。
白鵬がモンゴル国籍離脱に踏み切ったのは、父ムンフバトさんが亡くなり、ちょうど1年の節目ということもありました。モンゴル相撲の横綱で、母国では英雄的存在であったムンフバトさんは、当初、日本国籍取得には反対していました。しかし亡くなる前には「お前の思うようにすれば良い」と語り、また母タミルさんからの支持もあって、決断に至ったようです。

そしてもう一つ、白鵬が熱望していることが、あるといわれています。それは来年7月に開催される東京五輪で、横綱土俵入りを披露することです。しかし、決まったわけではありません。
過去には、元関脇の高見山など、多くの外国出身力士が、日本国籍を取得し、親方として相撲界を牽引してきました。
白鵬は、将来どのような形で相撲界で活躍することになるのか…まずは一歩目を踏みだしたところです。