手作りフリップ(12月16日放送)
「ボイジャー2号、太陽圏の外へ」

NASA=アメリカ航空宇宙局が、1977年に打ち上げた宇宙探査機・ボイジャー2号が、太陽圏の外にある“星間空間”に到達したことが分かりました。
太陽から噴出される電気や磁気を帯びた粒子を“太陽風”というのですが、太陽圏とは、その“太陽風”の影響が及ぶ領域のことです。
“星間空間”へと旅立った人工物は、同じ年に打ち上げられたボイジャー1号に続き、史上2つ目です。

ボイジャー2号は、これまで様々な画像を撮影し、数々の発見をもたらしてきました。 1979年には木星へ接近。その2年後には、土星へ接近し、大気の観測や温度などを測定しました。
本来であればここでミッションが終了する予定だったのですが、地球から遠隔操作で新たなプログラムが追加されたことにより、さらに探査を行うことが可能になりました。
これにより…
1986年には天王星へ接近し、新たな衛星10個を発見。
また、1989年には探査機で唯一、海王星へ接近するなど、当初の想定を大幅に超え、史上最長期間のミッションとなりました。

しかも、ボイジャー2号のデータ記録能力は、私たちが使っているスマートフォンの20万分の1しかないそうです。このような古い型のものが大活躍しています。
ボイジャー2号は、現在も地球からおよそ180億kmも離れた領域を飛行中なのですが、これは、新幹線のぞみで行ったとすると、およそ6800年もかかる距離です。

そしてボイジャー2号には、地球外生命体との遭遇を期待して“ゴールデン・レコード”と呼ばれる金メッキのレコードが搭載されているのですが、これには人類の進化図や、日本語を含む世界55か国の挨拶、各国の音楽などが収録されていています。
いつか地球外生命体が、このレコードの曲を聴くときがくるかもしれません。

現在、ボイジャー2号は星間空間の遥か先、太陽の引力が及ぶ範囲を意味する太陽系の境界へ向かって飛行しているのですが、その外側へ到達するのは、およそ3万年後だとされています。
名前に込められた“大海原を旅する航海者”という意味の通り、今も果てない旅が続いています。
