手作りフリップ(4月29日放送)
「どうなる?イラン核合意」

自らを“核保有国”と主張する北朝鮮には直接対話を認めたトランプ大統領ですが、一方でイランに対しては強硬な姿勢を見せています。
イランの核開発は2002年、極秘で進めていた計画を、イランの反体制派が暴露し発覚。 国際社会に核拡散の危機感が一気に高まりました。

核開発をどうしても止めたいイギリス・フランス・ドイツが2003年、イランと交渉を開始。2006年からはアメリカ・ロシア・中国も加わりました。
2013年に穏健派のロウハニ大統領が就任したのを契機にアメリカ・オバマ政権が交渉をまとめ2015年6カ国とイランが合意に至りました。

合意内容ですがイランがまず濃縮ウラン貯蔵量を300キロまで減らし、さらに1万9000基持っていた遠心分離機の数をおよそ4分の1に減らすことなどに同意。 旧式の遠心分離機しか稼働が認められていなかったため、イランは短期間での核兵器の開発ができなくなったのです。
アメリカなどの6カ国はその見返りに経済制裁を解除。
そしてイランに核の平和利用を認めるとしたのです。

これらの合意をトランプ大統領が問題視しているのは、ひとつには合意に「弾道ミサイル開発の制限が含まれていない」ということがあります。
また当面は、イランは核兵器の開発ができなくなったものの、一方で「2025年以降は段階的に核開発の制限がなくなる」合意であることから、トランプ大統領は「イランが永遠に核保有できないようにするべきだ」と主張し、修正に応じなければ5月中旬にも離脱するとしています。
しかし、そもそもこの合意は核不拡散が目的で、ミサイル開発は別のテーマとされています。

またIAEA=国際原子力機関は現状、合意によって核開発が封じ込められていると評価しています。
フランスのマクロン大統領も「平和にとって不可欠な合意で、尊重しないことは無責任だ」非難。 アメリカを除く5カ国はアメリカの合意離脱に反対で一致していて、アメリカが国際社会から孤立している状態です。

イランのロウハニ大統領も「合意に背けば、重大な結果を招くことを認識するべきだ」と警告。 合意の見直しを拒否していて、アメリカが離脱すれば、核開発を始める構えを見せています。
さらにイランが核武装すれば、サウジアラビアも核を保有するとしていて、中東に「核のドミノ」が起こるのではないか? そんな懸念さえ指摘され始めています。