手作りフリップ(3月18日放送)
「米・国務長官を電撃解任」

13日、トランプ大統領はティラーソン国務長官を電撃解任、そして次期国務長官にCIA長官のポンペオ氏を指名しました。

ポンペオ氏とはどんな人物なのでしょうか? 1986年にウエストポイント陸軍士官学校を首席で卒業。 1991年には陸軍士官として湾岸戦争にも従軍しました。
退役後、経営者として成功。2010年の中間選挙で、保守派の草の根運動「ティーパーティ」系議員として下院議員に初当選。 2016年にCIA長官に指名された、キリスト教右派のタカ派として知られます。

今回、トランプ大統領はティラーソン国務長官の解任理由について「意見の食い違いがあった」と述べています。
実際、多くの政策で意見の対立があったようで、『イランの核合意の見直し』『北朝鮮問題』『パリ協定離脱』『エルサレムをイスラエルの首都と認定する』といったトランプ大統領肝いりの政策に、ティラーソン氏は「国際協調」「対話路線」を重視し、これにことごとく反対してきました。

一方、ポンペオ氏はと言うと…過去に「イランの核施設への空爆」や「金正恩氏の排除」を示唆する発言をするなど、トランプ大統領と考え方が近いと言われ、大統領本人も、「彼とは波長が合う」「これこそ私が国務長官に求めていたものだ」と評価しています。
ティラーソン氏の解任について、国際社会からは「政権暴走の歯止め役がいなくなった」と懸念の声が上がっています。 EU欧州議会・アメリカ担当のエーラー議員は、「重要な支柱が失われた」と述べました。

歴史的な「米朝首脳会談」は5月末までに開催が見込まれていますが、実は国務省には、さらに大きな問題があります。朝鮮半島の安全保障に関わる重要ポストが、空席だらけなのです。
また、大統領が任命する「政治任用ポスト」、国務省には153あるのですが、アメリカメディアによると、議会承認を得られているのはわずかに63。6割近いポストがまだ決まっていないのです。それだけではありません。経済政策の司令塔である国家経済会議のコーン委員長が6日に辞任。
さらに、国家安全保障担当のマクマスター大統領補佐官やセッションズ司法長官の解任説が流れるなど、トランプ政権は不安定な状態にあります。 米朝首脳会談への影響が危ぶまれます。
