手作りフリップ|サンデーモーニング|TBSテレビ

「サンデーモーニング」毎週日曜日あさ8:00~9:54放送、出演:関口宏,橋谷能理子,岸井成格,張本勲,唐橋ユミ,水野真裕美,伊藤友里ほか

手作りフリップ(6月4日放送)

「『みちびき2号機』便利になる一方で・・・」

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こちらが「みちびき2号機」の実物の24分の1の模型です。「みちびき」は、宇宙から電波を送り、地上の位置を正確に測るための人工衛星です。

日本版GPSとも呼ばれていますが、「みちびき」により、GPSよりも安定して高精度の位置情報を得られるとされています。その秘密がこの軌道にあります!「みちびき」はこの上を地球の自転にあわせて回ります。それが、日本から見上げると、こんな8の字を描くような動きに見えるんです。なぜ8の字になるかというと、こちら・・・

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赤道上ではなく、傾いた軌道を衛星が飛ぶ場合、地球の自転とともに周回するので、日本の位置に取り付けたカメラから見ると、衛星が上空で8の字を描くように動いているのがわかりますでしょうか。8の字を描くことで、1基が比較的長い時間、1日8時間、日本の上空に留まることになるんです。

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GPS衛星よりも高い軌道を通るので、電波がビルや山などに遮られず、安定して高精度の位置情報が得られるのです。現在GPSによる位置情報で、「誤差」は10メートル程度だと言われていますが、「みちびき」をGPSに組み合わせると、最小6センチにまで抑えられるのです。

すると、●自動車の自動運転 ●農作業の無人化 ●小型無人機=ドローンを使った宅配サービス ●地震や火山活動の検知技術の向上などにも利用できるとされています。

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一方で、世界では位置情報を把握するシステムの開発レースが加速しています。GPSはアメリカのシステムですが、軍事利用のために開発されたものです。ロシアも旧ソ連時代から自前の衛星システム「グロナス」の開発を始め、いまや全世界をカバー。同じくEUも「ガリレオ」というシステムの整備を本格化しており、中国も「北斗」というシステムを構築中。いまや測位システムは軍事大国にとって、必要不可欠なツールとなっています。

こうした背景もあり、北朝鮮が金曜日、「みちびき2号機」について「北朝鮮を狙った事実上の偵察衛星」と批判。そこには自らのミサイル発射実験などを正当化したい思惑も見え隠れしますが、位置情報をめぐる衛星開発に軍事的な側面があることも伺わせます。

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「みちびき」を使った日本のシステムは、地球全体をカバーするものではありませんが、すでに打ちあがっている1号機に加えて、今後あらたに2基を打ち上げ、来年春から4基態勢で運用する計画です。24時間日本の上空に「みちびき」が飛行していることになり、将来的にはGPSに頼らなくても高い精度の位置情報が得られるようになる見込みです。しかし、あまりに精度が上がると行き過ぎた監視にもつながりかねないとして、危ぶむ声も聞かれています。

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