手作りフリップ(4月16日放送)
「“緊迫北朝鮮”とアメリカ海軍」

今回、朝鮮半島近くに派遣された「カール・ビンソン」は、アメリカ海軍の航空母艦で1982年に就役しました。ウエスチングハウス社製の原子炉を搭載した原子力空母です。
全長は333メートルで、これは東京タワーと同じぐらいの長さです。幅は76メートル。航空機を60機以上搭載でき、乗組員はおよそ5000人です。
また、2011年、国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディン容疑者の遺体が運ばれ、水葬を実施したのは、このカール・ビンソンでした。

アメリカは空母を10隻保有していて、「ジョージ・ワシントン」や「ロナルド・レーガン」など歴代の大統領や海軍の強化に貢献した議員などの名前がつけられています。中国とロシアが空母をそれぞれ1隻しか持っていないのでその差は歴然です。
こうした空母ですが、単独で行動することはなく、攻撃能力のある駆逐艦や潜水艦などを 従えて「空母打撃群」を編成して、世界各地に派遣されています。

アメリカ海軍には、第3艦隊から第7艦隊まで、海域ごとに番号のついている艦隊があります。
かつては第1、第2艦隊もありましたが、他の艦隊に任務を引き継ぐなどして現在はありません。そして第5艦隊と日本の横須賀基地を拠点とする第7艦隊は朝鮮半島を含む「不安定の孤」と呼ばれる世界で最も政治的、軍事的緊張が高い地域を 主に担当しています。

「カール・ビンソン」は当初シンガポールからオーストラリアに向かっていましたが、 緊張する北朝鮮情勢に対応するため急遽予定を変更して、朝鮮半島に向かうことになりました。 さらに駆逐艦が北朝鮮の核実験場から約500キロの位置にいるという情報もあります。
また、横須賀基地には「ロナルド・レーガン」が停泊していますが、現在はメンテナンス中のため、すぐには動けないという状況にあります。軍事アナリストの黒井文太郎さんによると、そのため、アメリカ西海岸の沖合で訓練をしている「ニミッツ」が今後朝鮮半島に向かう可能性もあるといいます。

アメリカは空母や駆逐艦を朝鮮半島に集め、北朝鮮への軍事的圧力を強めていますが、 この緊張はいつまで続くのでしょうか?