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撮影レポート 三浦翔平 篇

2017.12.16

2017年11月23日にいよいよ幕を開け、2018年2月末までというロングラン公演に挑むことになる劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月。新感線史上初の“ダブルチーム”制で取り組む今回、“上弦の月”チームで<無界屋蘭兵衛>を演じることになったのは三浦翔平さんです。

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本格的な時代劇に挑戦するのはこれが初めてという三浦さんが、紫色のグラデーションが美しい着物に身を包み、控室から登場すると「おお〜、今回の蘭兵衛は妖艶だ」「すでに亡八稼業感もあるね」「マネキンみたいに完璧に美しいー」とスタッフたちからは感嘆の声が響きます。今回の蘭兵衛の衣裳は、裾や背中に着物姿の女性が描かれている大胆なデザイン。髪は黒のストレートで後ろで軽く結んだスタイルとなっています。テスト撮影をした段階で、アートディレクターの河野真一さんがメイクの内田百合香さんに「白か銀で額の中央にハイライトを入れたい」とリクエスト。早速、筆で三浦さんの額に白いラインを描き入れる内田さん。小道具などの準備もすべて整い、いよいよ撮影開始です。

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河野さんが「“あれ”、持たせてくれ」と言うと、小道具担当のスタッフが「ハイ!」とすかさず笛を持って現れるという、あ・うんの呼吸は今回も健在。笛の持ち方は、おなじみ小道具担当の高橋岳蔵さんが三浦さんに直接指導します。カメラマンの野波浩さんからは「目線は鋭く、クールな感じで」「口元は笑うというより、口角だけクッと上げるように」「1回スーッと横向いて、そこから正面へ戻して」など、具体的な指示が次々に飛び出し、それに丁寧に反応していく三浦さん。

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セットチェンジの最中、モニターに映し出された写真を見ながら河野さんが「この流し目、かっこええなあ」と声をかけるとニコッと応える三浦さん。ちょっとした待ち時間には手持ちの笛をくるくる回してみたりして、撮影中はクールな表情ばかりが続きますが、こうしたスタンバイ中、休憩中にはお茶目な素顔がちょこちょこと垣間見えます。さらに河野さんから「笛の持ち方をもっとエロくして」と言われると、そんな注文を受けるのはおそらく初めてと見え、「エロく、ですか?」と少し困り顔。加えて野波さんからも「左手はもっと自然でええよ。カチカチになってるからもう少しリラックスして」と言われ、「へへへっ」と今度は苦笑いの三浦さんです。

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衣裳の生澤美子さんに聞くと、今回の蘭兵衛の衣裳は無界屋の主人とすぐにわかるように、着物の柄を女の人にし、男らしさでも女らしさでもない中性的なイメージでデザインしていったとのこと。まさにこの撮影日の朝まで染めの作業をし、現場でもギリギリまで手描き部分の修正を行っていたという、こだわりの着物となっています。動きのある撮影が始まると、河野さんから「着物の後ろ側は見えてもいいよね」と確認された生澤さんは「もちろんです、むしろ見せたい!」とニッコリ。大きく女性が描かれた背中のデザインにも、ぜひご注目を。

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長時間に亘る撮影も無事に終了した直後、三浦さんに作品に対する想いや今回の舞台への意気込みを語っていただきました。


——長丁場、お疲れさまでした! ずっと立ちっぱなし、しかも風に吹かれっぱなしの撮影で、大変でしたね。
いやあ、とんでもないです。僕はテレビドラマとか映像の仕事が多くて、舞台は一度しか出演してませんので、今回は新人の気持ちで臨みましたよ(笑)。なかなか、こういう衣裳を着られる機会も少ないですし。しかもあの衣裳、手描きで描いていただいていたんですよね。スタッフのみなさんがすごくこだわりを持って作られていらっしゃるので、僕も自然と気持ちを作れました。

——今回の『髑髏城の七人』Season月への出演のお話を聞いた時にはどう思われましたか。
「ぜひやりたい!」と、すぐに返事をしました。

——実際にIHIステージアラウンド東京で上演されている『髑髏城の七人』の舞台を観客席からご覧になってみての感想はいかがでしょうか。
初めて『ワカドクロ(通称)』(2011年版『髑髏城の七人』)を観た時には、ただ単に面白いなとかすごいなという気持ちでいっぱいでしたけど、今回は自分が“Season月”に出ると決まってから観に行っていたので。もちろん、観客としてはとても楽しんではいたんですが、どうしても「そうか、これをやるのか、どういう感覚になるんだろう。裏ではたくさん走っているんだろうな。演者はもちろんだけど、きっとスタッフさんも大変そうだな」など、いろいろ考えながら観ていました。だけど観客席が回るというのはやっぱり、新しい感覚でしたね。お芝居を観に行っているというより、エンターテインメントの感覚が強くて。自分が、というより舞台が回っているように錯覚する瞬間もあるし、CGの映像も入っているので、すごく新しい舞台だと思います。

——時代劇だということに関してはいかがですか。
時代劇もいつかやってみたいと思ってはいたんです。ここのところはずっと現代を舞台にした作品が続いていましたし。初舞台も『SAMURAI 7』というタイトルではあったんですけど、舞台を未来に置き換えたSFチックな物語だったんですよね。

——ということは、こういう本格的な時代劇というものは。
映像作品も含めて、まるっきり初めてなんです。プレッシャーはもちろん、ありますけど。「意外とカツラが似合うな、時代劇にも使えそうだぞ」とみなさんに思っていただければ幸いです(笑)。

——今日、ご自分でモニターをチェックして、われながらカツラが似合うぞと?
いやあ、それはもう素晴らしいものを用意していただきましたからね!(笑)

——ちなみに映像と違う、演劇ならではの面白さはどういうところに感じられていますか。
やはり、一番の違いは臨場感じゃないですか。人間だからどこかでミスはするかもしれないけれども、それをいかにお客さんにわからないようにするか、とか。もちろん、間違えないのが理想ですけどね(笑)。今回はぜひ、演劇でしか味わえない新鮮さを大事にしつつ、毎回いい意味でのプレッシャーを味わいながらがんばりたいです。

——これまで、劇団☆新感線の舞台をご覧になったのは2011年版の『ワカドクロ』と?
稲森いずみさんが出られていた『乱鶯』も観ましたし、生田斗真くんの『Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜』も観に行きましたし。他にも結構、観させていただいてます。

——ということは、初めて新感線を観たのが『ワカドクロ』。
そうです、そうです。

——印象としては、どんな劇団だなと思われていますか。
とにかく、(古田)新太さんがムチャクチャだなと(笑)。あとは、すごくみなさんが楽しんでやっているなというのが伝わって来ます。どの作品もすごくわかりやすくて、観ていてすごく楽しい。そういうイメージですね。

——いのうえさんの演出作品を観て、どういうところに魅力を感じますか?
役者によって演出を変えるとお聞きしたことがあって。いのうえさんには僕ってどういうイメージだと思われているのかなっていうことがとても気になります。今回の捨之介にしても、これまでと違う雰囲気になりそうだという話なんです。

——そういう意味では蘭兵衛もまた、新しいキャラクターになりそうですね。
太一くんの蘭兵衛と、“Season花”の山本耕史さん、“Season風”の向井理さんの蘭兵衛も違いますしね。今回は武器なども変わるらしいとも聞いているので、とても楽しみです。なにしろ僕は初めてのことばかりなので、がんばるだけですけど。

——では最後に、お客様へメッセージをいただけますか。
やはり、“上弦の月”と“下弦の月”チームの対比も面白い見どころになるかと思います。一応このあと“Season極”というものがあるものの、“花・鳥・風・月”と続いて上演してきた『髑髏城の七人』の流れとしては、ある意味、これがいったん締めくくりになるとも言えそうですよね。これまでの“花”、“鳥”、“風”の作品感を壊さないよう素晴らしい作品に出来たらと思っています。ぜひ、劇場にお越しください!