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撮影レポート 少路勇介 篇

2017.06.09

劇団☆新感線には『蜉蝣峠』(2009年)以来の参加となる、少路勇介さん。ワイルドかつカラフルな衣裳に身を包んだ少路さんがスタジオに登場するなり「カワイイ!」との声が飛び交い、「北のほうを開拓していそう」「みんぱく(国立民族学博物館)に飾られていそう!」などなど大好評。その様子を見ていたいのうえひでのりさんも「うん、着せられてる感があっていいねえ」と、満面の笑顔。

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テスト撮影中に、アートディレクターの河野真一さんが「中に着ている着物の裾とか、さらにボロボロにしたいな」とリクエストすると、衣裳スタッフや小道具の高橋岳蔵さんらが早速、布を裂いたり汚したりと手を加えていきます。河野さんが少路さんに「めっちゃ、似合ってるな」と声をかけると、少路さんも「似合いますよねー、へへへ」と嬉しそう。

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笠を右肩にひもでくくりつけ、準備が整うと撮影スタートです。「ちょっと猫背にして、不貞腐れたような顔をしてみてくれ」と河野さんに言われた少路さん。すぐさま、その通りに姿勢と表情を変えると、なんだかそれだけで周囲からは笑い声が漏れ聞こえてきます。「やっぱり、大人計画の人は立ってるだけで面白いー」と場が湧きます。さらにカメラマンの野波浩さんから「偉そうな態度で」と言われると、ふんぞり返って目をむく表情に。ますます、スタジオ内はクスクス笑いが充満していきます。

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そうやって「ベロを出して」「にやっと笑って」「ガッと目を見開いて」などの細かい指示に少路さんが応えながらのバストショットの撮影が続いている間、足元では次の全身写真に備えてメイクの内田百合香さんが“汚し”のメイクを施しています。長年、同じスタッフでヴィジュアル撮影をやってきているだけに、まさに息の合ったチームワーク、時間短縮作戦もこのようにスムーズ。

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楊子をくわえたショットでは、この楊子の角度がクセモノで少路さんも一苦労。あまり顔にかからないようにしつつもある程度は立たせた位置にしたいとの指示なのですが、ちょっとした力の加減ですぐに角度が変わってしまい、ぽろっと落としたりもしてしまうので、そのたび何度もくわえ直すことに。さらにこのあとも「懐手にして、胸元をポリポリかいて」「今度は首元をいじってみて」「粋がって、空威張りした感じで」など、具体的なリクエストが次々と繰り出されます。

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衣裳の堂本教子さんに聞いてみると、今回の衣裳の中で、一番難しかったのが意外にもこの少吉の衣裳だったそう。「見かけは兵庫や渡京の衣裳にも似た関八州荒武者隊風なんですが、中に着ているのは野良着っぽいもの。襟廻りにはファーを付けています。古い布をいろいろ縫い合わせたりして作ったので、たぶんこれと同じ衣裳は二度と作れないと思います」とのことでした。

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全身写真の撮影が始まると、少路さんはぐっと重心を前にした前傾姿勢でポーズ。ブロワーやサーキュレーターを使って風も当てながら、さまざまなポーズ、表情でシャッターが切られていきます。「楊子をはずして、口を開けて何か叫んでみて」と言われ、「いー、わー、うぃー、がー」と風を浴びつつ、謎の雄叫びをあげる少路さん。この口開けバージョンが気に入った様子で河野さんも野波さんも大笑いしながらも、撮影はまだまだ続くのでした。


少路さんにも『髑髏城の七人』Season鳥で劇団☆新感線に再び参加することへの意気込みなどを伺ってみました。

——今回、『髑髏城の七人』の“Season鳥”への出演が決まって、最初はどう思われましたか。
まず「本当なのかな?」って、信じられなかったのが第一印象でした。そのあとしばらくボヤーっとしていて、今日に至っていまして。自分の役柄についてもついこの間、認識した感じです。それでやっと実感が湧いてきました。

——『髑髏城の七人』という作品をご覧になったことは。
ナマで観たことはないです。ゲキ×シネで市川染五郎さんが演じていた『アオドクロ』(2004年)は観ました。でも、その作品に自分が出るということは想像せずに観ていたので、ただただカッコイイなあ、すごいエンターテインメントだなあ、と思っていましたね。これに自分も出てみたい!なんてことはまったく思っていなかったです。だから今回、とてもうれしいんです。だってこの作品は特に、出てくる役者さんがみんなカッコイイじゃないですか。僕も、ぜひカッコつけたいです(笑)。

——『蜉蝣峠』に出た時の、印象的なエピソードは。
実は稽古の最終日に声が出なくなってしまい、古田(新太)さんにすごく笑われました。まったく声が出なくなったなんて、その時が初めてで。先輩方にいろいろ教えていただいて、病院に行ったりしてなんとか出るようになったんですけれども。たぶん、これまで出したことのない大声を出し過ぎたんでしょうね。

——大きな声、重視しますものね。
古田さんが「おまえは上手なわけではないんだからとにかく大声を出せ、テンションを上げていけ」言われていたので。

——つい、やりすぎちゃった。
はい。それでのどをやられてしまいました。

——それもふまえて、今回への意気込みは。
今回は公演数がかなり多いですからね。でも、これ以上出すと潰れるなっていう加減が自分でわかってきたので、もう大丈夫です(笑)。あとはとにかく体力をつけておかなくては、と思っています。

——『髑髏城の七人』という作品の面白さ、魅力を感じた部分は。
やっぱり、エンターテインメントの王道というか。男の子がやりたいことがすべて入っているように感じました。みんなで敵を倒しに行くところも、すごくカッコイイですし。そんな物語の中に入れるなんて、本当に楽しみです。

——プレッシャーはありますか?
あ、プレッシャーはないです。もう、思いっきり楽しんでやろうと思っています。

——『蜉蝣峠』の時、初めていのうえさんの演出を受けてみて、いかがでしたか。
いのうえさんがまず先に立たれて「こういう風に動いて、3歩歩いて振り向いて」みたいに動きをつけるじゃないですか。最初はそれに身体と気持ちのバランスがついていかなくて。まあ、もちろん気持ちはあとからつければいいんですけどね。なんだか不思議な感覚で慣れるまでは苦戦したんですが、とにかくいのうえさんがやられる芝居がすごく面白いんですよ。だから今度は、どうにかしていのうえさんの芝居より面白くやりたいなって思います。

——そして今回は、客席が回るという新しい劇場でやるわけなんですが。
まだ、全然想像ができないです。出はけを間違えると、えらいことになりそうですけどね。今どこにいるのか、わからなくなりそう。役者は楽屋で休憩している暇はないってことなんですかねえ。まあ、でも僕の役の場合はそんな心配はいらないのか(笑)。

——劇団☆新感線の稽古場の雰囲気としては、前回経験していかがでしたか。
基本的にみなさんすごくあたたかくて、ウェルカムというか「出てくれてありがとう」って言ってくださるような現場でした。もう、お兄ちゃん、お姉ちゃんみたいな方ばかりで。

——劇団員が。
はい。みなさん、すごく頼もしくて。大阪の方が多いので、普通に話しているだけですごく面白いんです。あと、僕は個人的に礒野さんが大好きで。そしてその礒野さんを演出される時のいのうえさんも、また特に面白いなと思っていつも見ていました。

——少路さんから見た“Season鳥”のカンパニーは、どんな座組になりそうですか。
小劇場出身の方がすごく多いので、心強いです。(池田)成志先輩とか梶原善さんとか、全部を受け止めてくださる先輩たちだと思うので、こちらも全力で思いっきりやりたいと思っています。

——稽古、本番に向けて一番の楽しみはなんですか。
とにかく『髑髏城の七人』に出られるということ自体がとても楽しみです。何を要求されてもすぐ身体が動くように、準備をしておくつもりです。長丁場ですから、最後までしっかりやり通せるようにがんばります。