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撮影レポート 福田転球 篇

2017.06.06

『髑髏城の七人』Season鳥で兵庫を演じる福田転球さんが、支度を終えて控室から出てきた途端、そのド派手ないでたちにスタジオ内は弾けるような大爆笑。「五月人形?」「いいや、武者人形?」「それにしても、作り込んだね〜」などと、どうやらあっという間に同席したスタッフたちの心を鷲掴みにしてしまった様子です。

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テスト撮影中、アートディレクターの河野さんが「やっぱり、顔に傷が欲しいな!」と呟くと、すぐさま小道具の高橋岳蔵さんが福田さんの顔に下書きをし、メイクの内田百合香さんが生傷風に仕上げていきます。その間に福田さんへ今日の撮影の流れやコンセプトをレクチャーする河野さん。「表情はコミカル、派手めのほうがいいので」と言うと、カメラマンの野波さんも「どっちかというと面白い顔がいいな」と重ねて注文。

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準備がすべて整うと、撮影開始です。「眉間に皺寄せて」「まだちょっと顔が優しすぎ」「あ〜〜、太夫〜〜!と悶えるように」など、次から次へと指示が飛び、さらに「口開けて」「叫んで!」と言われ「わ〜〜」と叫んでみる福田さん。「まだ堅いなー」とのツッコミに、今度は野波さんから「キスするような口をしてみて」「太夫に迫ってるつもりで」「刀に唇を近づけて」とテンポよく声をかけられ、福田さんもどんどん表情とポーズを変えていきます。野波さんから「シリアスな顔は撮っておかなくていい?」と確認された河野さんが間髪入れず「撮ってもたぶん使わへん」と返し、ここでもまた笑いが巻き起こります。

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とはいえ、さすがにずっとコミカルな表情ばかりを撮っているわけにもいかず、「そろそろシリアスバージョンもいっときましょう!ここから戦いに行くつもりで目線は強めにして」と言われ、キリッと表情を引き締める福田さん。「片方の目だけをぐっと開けて」「歯を噛みしめる感じで」「身体全体に力入れて」「ボス猿が叫んでるような顔で」「こぶし同士をぶつけてみて」など、続けざまに出てくる指示にさまざまなバリエーションで応えていく福田さん。たくさん着込んでいる福田さんの暑さを気遣って、メイクの内田さんまでが隙を見つけては扇風機で風を送ってあげています。スタジオ内は熱気が増す一方で、なんだか全員参加の総力戦のようになってきました。

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この兵庫の衣裳について、堂本教子さんに聞いてみると「とにかく一番派手なものにということなのでオレンジと黄色を使い、鳥の羽や飾り紐なども足して、ちょっとやりすぎなくらいに派手にしました」とのこと。陣羽織の変形に短袴をベースにしているものや、派手な生地で仕立てたフードが付いているものなど、とても独創的。額には大ぶりの鉢金(はちがね)を巻き、さらに手甲、脚絆なども装着しているので、なかなかハードな扮装ではあるはずなのですが……。しかし、やっぱりこの衣裳のイメージ通り、撮影はすぐにコミカル路線に戻るのでした。

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さらにここからは特殊効果として風と煙を入れつつ、川原正嗣さんがアクションをつけていきます。「ファイティングポーズをとってみて。カモン!的な」「地面を思いっきりこぶしで叩いてみようか」と動きのあるショットが続き、野波さんは床に腹ばいになり下から煽るようにレンズを向けています。

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また河野さんから「もっと顔芸でいこう!」「できるだけ声も出していこう!」と言われた福田さん。「んー!」「むぅぅ!」「こぉー!」「ふぬー」「しゃー!」「いよぉー」「ぷしー」などなど、独特な奇声を発しつつ、寄り目にしたり、ぐわっと目を見開いたり。さらには野波さんから「自ら頭をグーで殴る仕草で」とのリクエストまで入り、そのなんとも言えない福田さんの姿と表情に、またもや爆笑するしかないスタッフ陣。見事に、最初から最後まで笑いが途切れない撮影となっていました。

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劇団☆新感線にはこれが初参加?と思いきや、実は『髑髏城の七人』の初演の舞台に立っていた、という意外な過去を持つ福田さんに、『髑髏城の七人』Season鳥への意気込みを語っていただきました。

——まず、今回の舞台に出ると決まった時にはどんなことを思われましたか。
正直、変な声を出しちゃいました(笑)。マネージャーから電話で聞いたんですが、切ったあと「うぉう〜、うわうわうわ!」って言いましたね。たまたま、その時は何かの芝居の稽古帰りで、すぐ隣に知り合いがいたから本当は言いたくて言いたくてしょうがなかったんだけど、まだ秘密だったから言えなくて。でも、ものすごく衝撃やった。まさか!って感じでした。

——新感線には初参加だと思い込んでいたんですが、実は初演版に出られていたと聞いてびっくりしました。
そうなんです。まあ、出たというか、いわゆるアンサンブル、鉄機兵役だったんですよ。たぶん誰かがお休みしたか、ちょっとケガしたかなんかで、急遽、大学の先輩だった(高田)聖子さんに呼ばれてね。僕“ふくっち”って呼ばれていたんですが「ふくっち、ローラースケートって滑れる?」っていきなり言われて。「ちょっとくらいはできると思いますけど」と言ったら「じゃ、やってくれへん?」と頼まれて、大阪の近鉄劇場公演と東京のシアターアプル公演にだけ参加させてもらったんです。当時は羽野晶紀がいて、今もいる右近(健一)やインディ(高橋)くんとかとも大学の同期で学部、学科もミュージカルコースで一緒だったんです。

——じゃ、それ以来の共演なんですね。
そうです。だけど出たといっても、鉄機兵のお面をずっとかぶっていたので顔はもちろんお客様に見えない状態でしたしね。確か羽野晶紀の後ろで膝ついて鉄砲撃ったり、古田(新太)さんを運んだりしながら、「俺、ここで何してんのやろ」っていう想いを抱いてはいました。しかも途中参加だったから出番はそれほどなくて、楽屋におる時間が辛くて。「なんでもええからもっと出たいわ!」なんて思っていました。そう思うと、今回声をかけていただけたというのは、いろいろと感慨深いです。

——鉄機兵から兵庫に出世しましたし(笑)。その、兵庫役をやることに関してはいかがですか。
兵庫といえばどうしても、橋本じゅんさんのイメージが強いんですが。でも今回は、これまでの兵庫とも違う、新しい形でチャレンジできたらいいなあと思っています。

——それにしても、とんでもなく派手な衣装でしたね。
正直、オレンジの髪の毛をつけたのは今日が初めてですし、黄色くてふわふわしたものがついてる着物みたいなのも初めて着ました(笑)。でもめったにできない格好ですし、自然と楽しさが溢れてくる撮影でしたね。

——福田さんに合わせて、兵庫のキャラクター設定を中島かずきさんが書き換えてこられるんだと思いますが、どこがどう変わってくるのかも、とても楽しみです。
チラッと先ほど、こういう構想で脚本が変わるということは聞いたんですが…、でも詳しいことは見てのお楽しみです!

——そして兵庫が惚れる相手の極楽太夫は今回、松雪泰子さんです。
完全にしっとり感があるというか、大人な雰囲気の極楽太夫になりますね。松雪さんは覚えていらっしゃるかわからないですけど(笑)、『グッドパートナー』というドラマで共演させていただいていたんですよ。あと森山未來くんとは、彼のデビュー作で共演していて。

——そうでした。『BOYS TIME』(1999年)ですね。
彼の14歳のころを知っているので、その思い出が今も深く刻まれていて。まだ学ラン着ているようなイメージだったのに、いざ踊りだすともう「ふわわー、なんやこいつー!」みたいにすごかった。その後も何度か彼とは会っていますが、どんどんどんどん俺をいじめるような存在になってきています。やたらと、オッサン扱いするんですよ。

——今回もいじられそう。
いじってきよるやろうな。もう、目に浮かびますね。その未來と早乙女太一くんは前回と同じ役なんでしょ? あの二人の殺陣は映像で見ましたがヤバかったですねえ。今回はそこに阿部(サダヲ)さんも加わるわけで、もしかしたら自分もそれを近くで見られるのかと思うと、なんだかみなさんには申し訳ないですけどそれも自分の楽しみのひとつだったりします。そして(池田)成志さんとは芝居の後で一緒に飲んだり、ドラマでも何度か共演させてもらっていますが舞台では初共演、ずっとご一緒させていただきたいと思っていたので嬉しいです。梶原善さんは普通にファンですしね。それに粟根(まこと)さんや右近くんも出るらしいので、みなさんにいろいろ質問して勉強しながらやりたいと思います。いやあ、本当にキャストは素晴らしい方ばかりですので、みなさんぜひ楽しみに劇場にお越しください!