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撮影レポート 近藤芳正 篇

2016.12.23

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劇団☆新感線には、2003年上演の『阿修羅城の瞳』以来の参加となる近藤芳正さん。スタンバイ中にまずは自撮りをしてから、撮影本番へと向かいます。アートディレクターの河野真一さんから「表情は不敵な感じでお願いします」と言われた近藤さん、「わかりました……」とクールに返しつつニヤリと微笑みます。

近藤さんの今回の衣裳は、茶色の袖なしの羽織が特徴的。口ひげあり、あごひげもありで、飄々とした雰囲気の狸穴(まみあな)二郎衛門になりそうです。そしてよく見ると羽織の背中には“ぶんぶく茶釜”のタヌキの絵が紋のように入っています。「キュート!」「粋だね!!」などなど、タヌキに気づいたスタッフたちからも好評の様子。

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衣裳の竹田団吾さんに話を聞くと、この羽織を作るのに使用した生地は“ひげ紬(つむぎ)”というもともと糸が飛び出ているもので、袴は膝から下の部分を細く仕立てた“裁着(たっつけ)袴”で武士が旅行をする際によく着用されていたものなんだとか。背中にタヌキの絵を入れたのはズバリ「狸穴だから」。“ぶんぶく茶釜”の起源を調べると、どうやらこの作品の時代背景となる安土桃山時代からとの説もあるらしく、それで入れてみたんだそうです。しかし、振り返れば1990年版の『髑髏城の七人』初演ではその狸穴二郎衛門役を演じていた“初代”が竹田さん。その竹田さんと近藤さんが並んでいる姿を見ると、なんだか感慨深いものがあります。
 
撮影序盤、モニターチェックしていた河野さんからのリクエストでカツラの位置を微調整する場面も。髪をくくった位置を少し高くし、額を狭くすると若く見えてしまうとのことでミリ単位でほんの少しだけ後方にずらします。この僅かな調整で、印象は結構違う感じになるのです。

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撮影中、カメラマンの野波浩さんからは「もうちょっとニカーッと笑ってみて、右の眉だけ上げられる?」、河野さんからは「目線を外して、右手を懐に入れてみて」などの細かな指示が伝えられ、丁寧にそれに反応していく近藤さん。

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近藤さんの場合は立ち姿の他にも、箱の上であぐらをかいて座ったポーズでも撮影。その状態で刀をどう構えるかは、アクション指導の川原正嗣さんがアドバイスします。刀を立てて両手で支えたり、思い切って背中にしょってみたり、座ったまま片膝を立てて刀をいかにも抜きそうなポーズにしてみたり、今にも立ち上がろうとする姿勢になったり……と、刀の向きにも気を付けながらいろいろと試してはバランスを見ます。ポーズによっては野波さんは脚立の上に立ち、高い位置からの撮影に臨んだりもしています。

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後半は、暗めの照明に変えて全身写真の撮影に。野波さんが「これは真正面でどんと構えた感じがいいと思うな」と言うと、近藤さんが「表情は厳しめで?」と確認します。「はい、全部厳しい顔でお願いします!」と言われて、さらにきりっと顔を引き締める近藤さん。

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撮影終了後、モニターを見て「この顔、ちょっと西田敏行さんに似てない?」と言って笑っていた近藤さんにも、この舞台への想いを聞いてみました。

——劇団☆新感線には『阿修羅城の瞳』以来、13年ぶりですね。今回の舞台に参加されることになって、まずどんなことを思われましたか。
最初はプロデューサーから、だいぶ前になんとなーく柔らかい感じで誘われたんですよね。「コンちゃん、再来年あたりどうなの?」って。それで「なんですか?」って聞くと「いやいや、新感線なんだけどね」とおっしゃるので「ああ、この間、たまたま『阿修羅城の瞳』のDVDを見て「またやりたいなー」と思っていたら偶然いのうえ(ひでのり)さんにお会いしたので、そのことを話していたところだったんですよ」って言って。それで、「じゃ、大丈夫かな、スケジュール」「再来年は何も入れていないので大丈夫ですよ」って感じで参加が決まったんですよね。そのあとで、実は新しくできる客席が360度回転する劇場で、稽古は2月からだけど6月上旬まで本番があって、4パターンあるうちの1番目だということがわかって……。「いやいやいや、いやいやいや……」と思いました(笑)。

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——何も聞かされていないまま話が進んでいたんですか(笑)。
演目は『髑髏城の七人』をやるんだというのは聞いていましたけどね。それなら、昔に観たことあるやーって思っていたので。僕がやるのは(2011年版では)千葉ちゃん(千葉哲也)がやっていた役とのことで、それ以前にはラサール(石井)さんやWAHAHA本舗の佐藤(正宏)さんがやっていたのか、ああ、そういえば観たことある! でもまだなんとなくしか思い出せていないけど……というのが現在の状態です。

——新感線に初参加した2003年の『阿修羅城の瞳』の時のことで、よく覚えていることは。
その頃は殺陣はもちろん、人前で歌うことも一切やったことがなかったんですよ。自分のプロデュースでダンス公演みたいなのをやったことはありましたけど、本格的に歌ったり、殺陣をしたりするというのは最初とても不安だったんです。だけどやってみると、それが楽しくてね。子供の頃のチャンバラごっこみたいな感覚で、すごくイキイキとしながらできたことを覚えています。だから今回、殺陣はどのくらいあるかはわからないですけど、前回の千葉ちゃんの時には少しあったようなので、僕もぜひやりたいなあと思っているところです。でも、残念ながら歌はなさそうですね。

——チャンスがあれば、歌いたい(笑)。
ええ、歌いたいですねえ。360度回ってもらいながら、お客さんをシーンとさせてみたい(笑)。だけど、あの劇場ってバックヤードが面白そうですよね。スクリーンが閉まった後、役者はどうやって移動するのかとか。すぐ出番がある人は必死に走っているかもしれないし、しばらく出番がない人はぼーっとしているだろうし。場所に慣れていない分、みんな結構早めに劇場入りすると思うんだけど、そこでくだらない話をしているのか、入念なストレッチをしているのか。人によって違うだろうから、そういう様子を撮っておくのも面白そうだなあって思いました。

——劇団には2回目の参加ですから、その点では安心感がありそうですね。
だいたい出会いというのは2度目のほうがいいってよく言いますからね。10年以上前ですけど、一度やっているからお互いにこんな感じだろうってわかるし。あと今回のキャストって、色っぽい人が多いですよね。古田新太くんは性的な色気があり、小栗旬さんには正統派の色気がありますし。女性陣も、清野菜名ちゃんには若さの色気、りょうさんなんて色気の塊みたいな人ですから。ちょっとみなさんの色気を学んで、自分のファンを増やしたいなと思います。古田くんに、色っぽい目線の送り方とか聞いてみたいですね(笑)。