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撮影レポート 成河 篇

2016.12.02

成河さんが演じる天魔王の衣裳は、ツヤ消しのマットな黒い素材が特徴的な甲冑にサイバーチックな飾りがついたスタイル。天魔王と言えば仮面がマストアイテムですが、今回のヴィジュアル撮影のために用意されたものは今までにない形。顔の左側だけを隠す面になっていて、なんだか実に新鮮です。

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まずはテスト撮影のために、衣裳も面も試しに着けてみて全体のバランスを確かめます。アートディレクターの河野真一さん、今回の衣裳を担当している竹田団吾さん、カメラマンの野波浩さん、メイクの内田百合香さんらスタッフが総勢で成河さんを取り囲み、侃々諤々(かんかんがくがく)でより良いヴィジュアルになるように意見が交わされていきます。

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劇団☆新感線にはこれが初参加となる成河さんは、そんなスタッフのやりとりに合わせて面の装着位置の微調整から、衣裳の飾りの着脱など全面的に協力体制。どうやらこういった甲冑スタイルの凝った衣裳をつけるのは初めての様子で、肘を動かしてみたり、指を動かしてみたりしては「すごい、動かしやすい!しかも軽い!!」と、竹田さんならではの素材使い、各関節部分が容易に曲がる仕組みを生かしたデザインに感心しきり。

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微調整が終わると、小道具担当の高橋岳蔵さんが天魔王用の大ぶりの刀を持ってスタジオに現れ、まずは握り方から指導。「この刀は特に重たくて、あまり大きく振り回すと危ないので気を付けてくださいね」と真剣な面持ちでアドバイスされ、神妙な表情で頷く成河さん。

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すべての準備が完了すると、立ち姿の全身ショットから撮影がスタート。数枚撮った時点で早速、野波さんが「少しだけ微笑んだ感じが、いかにも天魔王っぽくていやらしくて気持ち悪くていい!」と妙な褒め方をすると、成河さんは思わず苦笑い。次に河野さんから「背後に捨之介がいる、という設定で動いてみてくれるかな」という注文が入ると、そこからは刀を構えるだけでなく、マントを翻してくるりと廻ったり、ジャンプやキックを繰り出したりと成河さんならではのアクションを披露。その動きを追いかけてどんどん迫力あるショットが撮られていきます。

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続いて特殊効果のスモークを入れての撮影へ。「目がギラギラと狂気じみてていい!」「手の動きもかっこいいねえ!!」と、スタッフ一同は成河さんの鋭い表情やダイナミックなアクション、繊細な仕草にすっかり釘付けです。スモークの様子をチェックしていたモニター付近からは「今、煙が髑髏みたいな形になった!」「何かが降臨してる!!」と半分悲鳴のような声まで響くほど、盛り上がった撮影となりました。

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成河さんにも、劇団☆新感線初参加の意気込み、初めて経験するこのヴィジュアル撮影の感想などを伺いました。


——まずは今回のヴィジュアル撮影について、初めて経験してみていかがでしたか。
いや、すごいですね!新感線のチラシやポスターはこれまでずっと目にしてきましたから、「ああ、こういうことかー」と改めて感慨深く思いました。何から何まで全部が本気で。大人の本気って、やっぱりいいですね。

——天魔王の衣裳を着てみてのご感想は。
これ、ビックリするくらい動きやすいんですよ。そのへんの工夫もさすがだなあと思いました。すごく軽いし、本当になんのストレスもなく動けるんですからね。

——新感線に初参加することが決まって、まずどんなことを思われましたか。
僕はもともとつかこうへいさんのところでお芝居をやっていた時期があり、いのうえさんとお会いしたりお話させていただく機会が何度かあって。きっかけは古田新太さんとNODA・MAPで共演した時に、古田さんが僕のことを「オススメだよ!」っていのうえさんに紹介してくださったことからだったんですけどね。死ぬほどうれしかったですよ。そこからの縁が徐々に実って、今回ようやく叶った!という思いです。

——このあとの稽古、本番に向けて、何か準備しようとしていることはありますか。
『髑髏城の七人』に限らず、新感線さんのやるもので本当に素晴らしいなと思うのは、極上のエンターテインメントである一方で、きちんと歴史劇だということ。もちろんフィクションではありますけど、歴史の裏側や、真実とは何か?みたいなものがすごく匂ってくる瞬間があるお芝居なんですよね。もちろん何も知らずにいても楽しめるとは思いますが、でも僕ら日本人にとっては密接な日本の歴史が奥の奥でふわっと浮き上がってくるものなので。そういう喜びが客席にいる時には感じられたので、演じるにあたってはいい機会なのでもう一度日本史の勉強をしてみようかなあと思っています(笑)。学校で教わるような歴史じゃなく、自分にとってはその歴史がどうつながって、それを観てくださる人たちにどう伝えられるのか。そういうこともやりがいにつながるかもしれないな、とも思っています。

——特に今回は、新しい劇場のこけら落とし公演でもあります。
もうね、この劇場の話をしてくださる時の、いのうえさんの嬉しそうな顔といったら!本当に、巨大なおもちゃを手に入れた子供のような表情をされるんですよ。そんないのうえさんを筆頭に、みなさん本当に新しいものが大好きで好奇心たっぷりの集団なんですよね。僕もその好奇心に乗っからせていただいて、最後までがんばり抜きたいです。僕にとっても劇団☆新感線の方々にとってもお客様たちにとっても大きなイベントになるに違いありませんし、新たな劇場の最初を飾るのに相応しい、華やかでとても演劇らしい作品になったらいいなと思っています。みなさん、ぜひ劇場にお越しください!