見どころ

日本人初となる3階級制覇王者の誕生から一年。
2011年12月7日。再び、日本ボクシング界に伝説が生まれる・・・。

「亀田祭り2011」開催。

その舞台は、亀田三兄弟が生まれ育ち、彼らのボクシング人生の原点でもある街、大阪。
昨年開催された「亀田祭り2010」では、初めて三兄弟が同じリングに揃い立ち、
長男である亀田興毅が日本人初となる3階級制覇を達成し、話題を呼んだ。

そんな特別な舞台で今回主役を務めるのは、亀田家の二男、元WBA世界フライ級王者の亀田大毅。
今年1月に、2度の防衛に成功したフライ級のベルトを返上し、スーパーフライ級へ階級を上げると、ここまで3試合連続でKO勝利を重ねている。
転級後にランキング入りしたWBA同級1位の座をここまで守り続けてきた。
そして今回、満を持して、兄・興毅が3階級制覇を達成したのと同じ「亀田祭り」の舞台で、
史上初、兄弟での2階級制覇達成という偉業に挑む!
対するは、WBA世界スーパーフライ級王者のテーパリット・シンワンチャー(タイ)。
大毅と同じ22歳で、戦績はここまで20戦18勝12KO。
パワフルな突進力と強烈な右を武器とするファイタータイプの選手で、
これからのタイ・ボクシング界を背負って立つといわれる、期待のスーパースター候補だ。

対する大毅は、スーパーフライ級転級後初となる世界タイトルマッチの舞台だけに、
パワーやスピード、試合に向けての調整や減量、2階級制覇へのプレッシャーなど、さまざまな部分で不安が付きまとうことは間違いない。
だが、それを乗り越えない限り、2階級制覇という高みに上り詰めることが出来ないのは百も承知。
恒例となったフィリピンでの合宿中でも、スパーリングで相手から何度もダウンを奪うなど、好調を維持しており、本人も「絶好調や」と自信をみなぎらせる。
未知なる領域で、攻撃的な王者を相手に、ここまで作り上げてきた「スーパーフライ級の亀田大毅」がどういった戦いを見せてくれるのか?
「これからは俺の時代」と意気込む大毅の今後を占う上でも非常に重要な一戦となる。

また、長男の興毅は、WBA世界バンタム級3度目の防衛戦に臨む。
ここまでライトフライ級、フライ級、そして現在のバンタム級と三つの階級で世界王者へと上り詰め、
自身の夢であった三階級制覇も達成した興毅。
バンタム級に階級を上げてからは、3度の世界戦全てでダウンを奪っており、
かつての代名詞でもあった「亀田とKOはセット」のフレーズも完全復活しつつある。
キャリアとしては心身共に最高の時期を迎えている興毅だが、本人自身は決して満足はしていない。
前回の世界戦では、3Rにダウンを奪いながらも倒しきれず、結果は僅差の判定勝利。
試合後の会見でも、反省のコメントばかりが口をついた。
その反省をいかして臨む、3度目の防衛戦。今回の試合に向け興毅は「下半身強化」と「左ストレート」をテーマに掲げ、日々トレーニングに励んでいる。
2階級制覇を狙う弟に勢いをつける為に。また、自身の長期タイトル防衛やその先に見据える前人未到の4階級制覇達成の為にも、最高の勝ち方で3度目の防衛成功を果たしたいところだ。

さらに、「亀田家の最終兵器」こと、三男の和毅(ともき)も去年に引き続き二人の兄と同じリングに上る。
15歳でボクシング大国・メキシコに単身武者修行に渡り、いまや、現地でもその名を知らぬものはいない程の選手へと成長を遂げた和毅。現在プロ19戦無敗のキャリアを誇り、WBC世界ユースバンタム級のタイトルを含む4本の地域ベルトを保持。
最新の世界ランキングではWBAバンタム級7位、WBCバンタム級9位にランクされており、
「近いうちに、彼は必ず世界王者になる」とボクシング関係者からの評価も高い。
今回は、本人がかねてから熱望していた世界ランカークラスとの試合。
対戦相手のエドゥアルド・ガルシアはここまで28戦21勝(9KO)6敗1分。
2006年の12月に、当時のWBA世界フライ級王者・名城信男とのタイトルマッチ(判定負け)も経験するなど、実績は充分。
和毅には、近い将来訪れるであろう世界挑戦の舞台を見据え、素晴らしい試合内容でこの試合に勝利し、その実力が世界をとるのに相応しいということを証明してほしい。

今回が初となる地元・大阪での三兄弟そろい踏み。
日本ボクシング史上初となる兄弟での複数階級制覇へ、舞台は整った。
12月7日。日本ボクシング界に新たな歴史が刻まれる瞬間を目撃せよ。