見どころ

井岡

2006年8月2日   WBA世界ライトフライ級王座獲得。
2009年11月29日 WBC世界フライ級王座獲得。
2010年12月26日 WBA世界バンタム級王座獲得。

幼い頃からの夢だった日本人史上初の3階級制覇を達成した浪速の闘拳、亀田興毅。
あれから5ヶ月。
今、亀田興毅の新たな戦いが幕を開ける。
今回の舞台は、興毅が生まれ育った地元・大阪。
ボクシング人生の原点であるこの地で、WBA世界バンタム級王座の初防衛戦を迎える興毅は、
2つの大きな意義を持ってこの試合へと臨む。

ひとつは、未だに経験したことのない世界タイトルマッチでのKO勝利。
デビュー当時、「亀田とKOはセット」と語り、ど派手なKO劇で次々と相手をマットに沈めてきた興毅。だが、世界戦においては、ここまで5試合を戦って1度もKO勝ちをしていない。
興毅自身も「絶対にKOせなアカン」と危機感を口にしており、
積極的に殴りあうと公言。
しかし、今回の対戦相手であるダニエル・ディアスは、決して楽にKOを狙えるような相手では無い。
ここまで20戦して、18勝のうち13勝がKOというニカラグア出身のハードパンチャーで、本来は一つ上のスーパーバンタム級を主戦場としている。
身長やリーチなどの体格面では、明らかに興毅を上回っており、一発の怖さを秘めた挑戦者に対し、
恐れずに懐に入っていけるかどうかが、興毅のKO勝利への鍵となるだろう。

そして、もうひとつの意義。
それは、3月11日に東日本を襲った大震災の被災者に元気を届ける事。
これまでも、被災地に物資を送ったり、街頭に立って募金活動を行うなど、積極的に行動を起こしてきた興毅。「自分はボクサーやから、ボクシングしか出来ることはない。初めてとなる大阪での世界戦で、みんなで力を合わせて、被災地へと力を送れれば。」と今回の興行のタイトルにも『復興』という言葉を掲げ、大阪から東日本へと元気を届ける為に戦うことを誓った。
「その為にも、やっぱKOで勝ちたいな。」
劇的なKO勝利で、被災地へ元気を届けることを胸に誓い、決戦のリングへと上がる。

また、この日は亀田家の三男・和毅も、去年の年末に引き続き、兄と同じリングに登場する。
現在、兄と同じバンタム級でWBC10位、WBA7位にランクされており、年内での世界挑戦も期待される逸材は、「絶好調や。今なら、お兄ちゃんとやっても勝てる。見たお客さんに『和毅の方が強い』って言わせるような試合をする。」と意気込みも充分。
『亀田家最終兵器』と呼ばれるその実力を見せ付け、こちらもKOでの勝利を狙う。
5月7日。
亀田家の原点・大阪を舞台に、『復興』への願いを込めたKO劇の幕が上がる。