一郎(中尾明慶)は京都の裏道をひとり歩いていた。その目にとまったのは古びた旅館。格子戸を開け覗き込むと、旅館のオバさん(白川由美)が姿を現した。泊まりたいと一郎が告げると、オバさんは何かを見透かしたように家出ではないかと疑いの目を向ける。

「家出」という言葉が胸に突き刺さりながらも「寺巡りをしたい」という一人旅の理由を話し、一郎は宿泊を許可してもらう。宿が取れた事に安心し、再び出かけようと旅館から飛び出したその時、急に角からバイクが現れ一郎をかすめた。

バイクを運転していた少女はジュン(邑野未亜)と言った。お互い怪我がないことを確認し歩き出した一郎の後を、ジュンはバイクでゆっくりとついてきた。一郎はオドオドしながらもジュンと会話を始める。

年上だと思っていたジュンは一郎と同じ年であった。驚きつつも「こんなツッパリの女の子と一緒にお寺を回ったら楽しいだろうな」と思っていると、ジュンが「もしかして、つきあって欲しいの」と聞いてきた。心を見透かされたのかと焦る一郎。

しかし、そんな気持ちもつかの間、ジュンの知り合いのチンピラ風の男・ミノル(吉田勝浩)が声をかけてきた。一郎は逃げようとするが、結局ミノルにつかまり、訳もわからぬまま連れまわされ店の支払いまでさせられてしまう。

寺巡りもできず、宿泊費も東京までの旅費も使ってしまった一郎は、父の言葉を思い出していた。「ほんとにダメな奴だな！」。一郎はジュンの前で思わず涙してしまう。そして、本当は家出してきた身で、中学3年生であることを告白する。

一郎はジュンの家に泊めてもらう事になった。そして実はジュンも登校拒否をしているということを知る。母から学校へ行くよう促されるも、無視して一郎と約束した寺めぐりに出かけるジュン。しかし、そんな二人の前に、再びミノルが現れ…。