
たけしさんとは“知らないのに知っている”という不思議な関係なんですよ。実は、たけしさんと共演させていただいたのは先頃放映された2時間ドラマが初めてだったんです。けれども、以前にたけしさんの原作のドラマで、たけしさんのお母様のさきさんを演じさせていただいた事がありまして。そのときの作品もそうですが、たけしさんの作品には御家族の事や御自身の体験かなと思われるものが多いので、私自身は勝手にたけしさんの事を知っているつもりでいるんですよね(笑)。

運動会のシーンなどを見ても、独特の世界観を感じました。素朴な、良い時代というのでしょうか…。いまドラマの題材になるものって、恋愛やミステリーなど感情の動きがはっきりとしたものが多いですが、こうした見逃しがちな些細な日常の中にある出来事…子供の頃の気持ちの動きなどを題材になさっているところがとても新鮮でした。

「白」という色のイメージですね。物語の中にも、運動会に備えて新しいシャツやパンツを用意するというくだりがあるじゃないですか。けして裕福な時代ではないはずなのに、“一張羅”というんですか、そうした物を母親もきちんと用意していて…。ですから、私の中の少年のイメージはおろしたてのシャツの「白」。…それと「鼻みず」、ですね(笑)。

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