ジョイナー以来の偉業を成し遂げた新スプリントクイーン
去年、スプリント王国ジャマイカから新たな最速女王が誕生した。2016年のシーズン序盤、100mで世界歴代4位となる10秒70をマークしたトンプソンは8月、初の五輪で1988年のフローレンス・ジョイナー以来、実に28年ぶりに100m・200mの2冠を達成した。
ジャマイカの貧困地区マンチェスターのバナナ農園出身。生後7ヶ月から祖母によって大事に育てられた。
陸上については幼い頃から抜き出た才能があったわけでもなく、高校時代は並のランナーだった。その上生意気な性格が災いし、高校3年のときには陸上部を退部させられた。しかし、その後、ジャマイカの名門陸上チームMVPトラッククラブで指導を仰ぎ、眠っていた才能が開花。また“心の母”と尊敬する五輪100m連覇(2008年・2012年)のS・A・フレーザープライスからも多くの影響を受けたことも大きかったと彼女は言う。
リオ五輪では圧倒的な強さを見せつけた25歳の新女王。いよいよ“トンプソンの時代”が始まる。