毎週土曜よる7時56分
未来ちゃんはまだ16歳ですけど、すでに大人の感性を持っていて、プロとして意識が高いので、年齢を気にせず対等に仕事できる女優さんです。
とにかく集中力がすごい!
待ち時間も一切気を抜かないで、次の芝居に向けて精神を集中しているんですよ。
こんなに演技にひたむきに取り組んでいる若い女優さんは、なかなかいないんじゃないかしら。
あのまっすぐな目でセイラという役をひたすら見つめて、ただただひたむきに演じていく…… ほんとうに素晴らしいです。
役の関係上、あまり未来ちゃんと仲良しになってしまうと、切り替えが難しくなってしまうので、クランクインからずっと付かず離れずの距離感を保っていますね。
それでもスタジオから離れたところでは、16歳の顔に戻っているのを見計らって、いろいろ話しかけているんです。
「 好きな男の人のタイプは? 」 とか (笑)。
そうすると、彼女の答えが本当に個性的でおもしろくって!
真面目な優等生タイプかと思いきや、意外にユニークでセンスがある答えが返ってくるんですよ。その反応が楽しくて、もっと未来ちゃんとはお話したいんですよね。
親子役とかで出会っていればまた違ったんでしょうが、なんせ今回は敵同士なので…… 取りあえずセイラの撮影が完全に終わるまで、未来ちゃんと仲良くなるのはおあずけです (笑)。
嬉しいエピソードでは、初回のセイラを見て下さった浅丘ルリ子さんが、数年ぶりに家にお電話下さり、「 セイラ面白いわぁ。あの怖い院長先生大好き。」 とおっしゃってくださったんです。
千恵子役に戸惑っていた私には、とても嬉しい電話でした。
それがきっかけで第7話で特別出演していただいたのですが、ルリ子さんの先代院長は、綺麗で貫禄があって、千恵子が憧れる院長先生にぴったりでした。
岡田惠和さんの脚本は、人間の気持ちの明暗をうまくセリフに乗せて、お話を進めていくので、読んでいて本当におもしろいんです。
人間の表に現れている良い面だけではなくて、誰もが内側に持っている嫌なところ、弱いところ、未熟なところまでを描いていくので、どの登場人物もとても深い。
だから原作は児童向けですけれど、ドラマ版ではもっと生身の人間っぽさが加わっていて、人が人と関わって生きていくということはどういうことなのか、という人間ドラマに仕上がっていると思います。
いろいろな経験を重ねてきた大人の方にこそ、千恵子たちの想いは共感してもらえるんじゃないかな。ぜひお子さんと一緒に、大人にも見ていただきたいドラマです。
もう最終回の脚本ができたのですが、それがとってもステキな終わり方で、とても感動しました。
まだ詳しくは言えませんけど、このエンディングのために今までやってきたんだなぁと思ったぐらい、すばらしい最終回が待っています。
果たして千恵子がどうなるのか…… ぜひ楽しみにしていてください。
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