ランナウェイ〜STORY完全版

第8話

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リュウに駆け寄り、抱きかかえるアタルの手は血で赤く染まっていた。
息も絶え絶えに、「美咲のもとへ連れてってくれ。」とアタルにお願いするリュウを抱え、東京タワーへの道を懸命に歩み進めていた。苦しそうに息を吐くリュウの姿に「美咲さんに会うんだろ！」と言うアタル。アタルの口調に、いつものように悪態づくリュウだが、いつもの迫力はなく、「なあアタル。楽しかったなあ。俺たちずっと走りっぱなしだったなあ。」と今までの旅を思い起こす。「いつかまたパァーっとやろう」と言うアタルの言葉にリュウからは何の返事もない。
リュウは眠ったように安らかな顔をしていた。リュウの名を叫び続けるアタル。そして、その手からは指輪のケースが零れ落ちる―