過去の議事録

2016年4月19日(火)開催 第141回 TBSラジオ番組審議会より
「荒川強啓 デイキャッチ」 2016年4月19日放送分について

出席者(敬称略)

委員長大石 裕 
副委員長伊藤 英敏 
委員横山真司 増田弥生 ペリー荻野 水科孝之 伊藤美希子

局側出席者

 入江 社長

 須郷番組審議会事務局長

 柳澤編成局長

 石垣制作部長

 長田番組プロデューサー

委員の主な発言

◇荒川強啓さんと片桐千晶さんのコンビネーションがとてもいい感じになっているという印象です。やはり、熊本地震の話題が中心になるのは当然かなというところはありましたが、ラジオならではのレポートがどのように伝わるのかというのをすごく興味深く聞きましたが、もう少し時間を取ってもよかったと思います。ラジオというのはすごくきめ細かいし、デイリーで生放送をやるので、震災弱者(目が見えない方、高齢の方、弱視の方など)の人たちに寄った、そういう方たちの声を拾うところまで迫っていけたとしたらもっといい番組になっていたのではないか、と思いました。

◇私は個人的には、ニュース事実だけを淡々と伝えて頂くというのが好みでございまして、ワイドショーのように専門家と称する方々が、にわか仕込みだと思いますが、そういう知識を延々と述べられているのを聞くというのは抵抗を感じるタイプです。この番組は、事実を伝える部分と、少し掘り下げようという部分があり、全体としてバランスがよいと思います。

◇「デイキャッチャーズ・ボイス」の待機老人の問題と、「ニュースクリップ」のネット社会の問題ということで、そのふたつのテーマについては30分弱くらいの時間をとって特集されていました。老人ホームの問題は、風呂敷を広げすぎだと思いました。そもそも特別養護老人ホームとは何で、問題の所在がどこにあってということから、もう少し分かりやすく体系的な説明をして頂かないとわかりにくかったなと思います。問題についても、例えば入居金や費用の問題なのか、介護士の不足の問題なのか、あるいは施設などハード面の問題なのかということがよくわからない。はっきり言ってコメンテーターの結城さんや桜川さんが言いたいことを言っているような感じになってしまっているなと思いました。

◇ラジオ初心者として、私的にはメディアの性格としてラジオはテレビと圧倒的に違うのだなと感じました。なぜパーソナリティというかということを初めて知りました。つまり、その人の人となりとか、悪く言えば偏見とか思い込みがものすごく出るのに、それがある意味心地よいというか、<そういうのもありなんだ>と。耳からしか入らないので、自分との対話のなかで違う意見として入ってくるというのが結構心地よくて、私にとってはそれがすごく面白い体験だったというのが感想です。

◇一点気になったのは物資の話で、これはコメンテーターの小西さんのご性格なのだと思いますが、結構切り込んでお話されている方だと思います。特に、支援物資が固まってしまっているとか配れないというときに、「政治が」とか「行政が」という批判的なコメントがありました。聞いていて、それだけだったら誰でも批判はできると思いますので、もっとどうしたらいいかとか、どんなふうになったらいいかとか、少し建設的なお話が聞きたいなと思いました。

◇被災者の方に言葉だけで様子を伝えてもらうというのは、少し誘導的な質問になってしまったりして、自ら語ってもらうというのは非常に難しいのではないかと聞いていて思いました。だから、あれ以上聞こうとすると、<もし自分だったら、いい気分ではないかも>と思ってしまったりしたので、もっと聞きたかったのは正直なところですが、それはレポーターの方の色々な描写とか説明でいいかなと私は思いました。

以上



(TBSラジオ番組審議会事務局)