過去の議事録

2015年12月8日(火)開催 第137回TBSラジオ&コミュニケーションズ番組審議会より
今年一番印象に残った番組・TBSラジオの放送全般に対するご意見について

出席者(敬称略)

委員長大石 裕 
副委員長谷川真理 
委員伊藤英敏 横山真司 ペリー荻野 長田充代子

局側出席者

 入江 社長

 田中 常務取締役

 須郷番組審議会事務局長

委員の主な発言

・今年印象に残ったラジオ番組

◇「荻上チキ Session-22」です。荻上さん自身が帰郷した際に祖父の人間魚雷の体験を聞き出すという内容で、初めて知ることも多く、衝撃的でもありました。客観的に内容を分析したり、戦争という大きなテーマを番組でどう広げていくのかなど、難しさも感じました。

◇「荻上チキ Session-22」です。報道のTBSにふさわしい良質のラジオ番組だと思います。荻上さん自身のアンテナの高さと鋭さに加え、スタッフの皆さんと協働して、難しい時事問題に関しても適切な解説や論評をおこなうという番組の方針と姿勢は高く評価できると思います。

◇「土曜ワイド ラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送」です。永六輔さんの後継番組として、リスナー、スポンサー、他ラジオ局の注目を集めてのスタートだったと思います。漫才は聞いたことはありましたが、キャスターとして番組を進行する姿は見たことがなかったので、どんな番組になるだろうと思っていました。ナイツさんは絶妙なコンビネーションで、落ち着いた調子で聞きやすく、好印象でした。ナイツのふたりのさらなる頑張りを期待して、今年印象に残った番組とさせて頂きます。

・TBSラジオの放送全般についてのご意見・望むこと今年印象に残ったラジオ番組

◇パーソナリティを大事に末永く使っていくところに好感を持っています。番組が終わっても、他番組での起用が続くなど、ファンには嬉しいものがあります。聴取率No.1を続けられていることもあるのでしょうが、大きな改編が少ないのも、ラジオ=日常のBGMとして使っているものとしては大変ありがたいので、この傾向が長く続いていくことを祈っています。

◇審議会のなかでも出ていましたが、野球中継に関しては、残念ながら本格的な見直しの時期に来ていると思います。野球自体の人気に陰りが見えることに加え、多メディア時代においては、よほどのインパクトがないとスポーツ中継に対してはあまりニーズがないかと思います。注目すべき試合だけを放送する方向へと切り替えていく時期に来ているのではないでしょうか。

◇全体的には楽しく聴ける番組が多いと思っています。それは聴取率にも出ていると思いますが、気になっているのは、若年層があまりにもラジオを知らないことが今後の命運を左右しまいかということです。ラジオを持っていない、見たことがないという若者が圧倒的に多く、知っているのはラジオという言葉だけ、という状態です。その知られていないラジオを知ってもらい聴いてもらうような作戦をどう組み込み、実行していくのか、ここが肝でしょう。

・TBSラジオの報道・速報体制に対するご意見

◇「ラジオは速報が命」という観点から、今年の報道の有り様についていくつか反省点があるのではないかと思います。印象に残っているのは、茨城県常総市の川の氾濫、フランス・パリでのテロ事件。それぞれ出来事の変化する情報が正確にはやく届けられたかというと、難しかったのではないでしょうか。もっと“泥臭く”報道する体制を考えても良いのではないかと思います。

◇量、質ともにもっと充実して頂けるといいと思います。ニュース、報道ならNHKという都市伝説がまだ生きているように思います。ぜひ「報道のTBS」を名実ともに具現化して頂きたいと望みます。

◇パリのテロでは、ツイッターでの個人の情報がいちばん早く届き、慌ててテレビ・ラジオで確認しようとしても何もつかめず心配でした。ラジオは速さでネットに及ばないということはなく、報道番組で培った専門家との人脈を活かして、どこにも負けない分析を届けるメディアであってほしいと思います。

(TBSラジオ番組審議会事務局)